営業のノウハウ/営業プレゼンテーションのコツ

キーマンの心をつかむ営業プレゼンテーションのコツ(4ページ目)

ベテランの営業職でも、プレゼンテーションが苦手な人は多いもの。プレゼンもゴルフやテニスと同じで、要素を分解し、1つ1つトレーニングしていけば、堂々と実践で戦えるようになります。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド


アガることは悪いことではない

プレゼンテーションはスピーチコンテストではない。訥々とした話し方のほうが、相手に伝わる場合もある
「大切なプレゼンテーションのときほど、あがってしまってうまく話せなくなる」と悩んでいる営業マンは、世の中にたくさんいます。

けれども、あがるというのはそんなに悪いことなのでしょうか。人がプレゼンであがるのは、「このプレゼンはすごく大切だ」「何とか自分の思いを相手に伝えたい」という気持ちが強いときです。つまり、真摯にプレゼンと向き合おうとしている証拠なのです。

だからあがること自体は決して悪いことではありません。聞き手も、話し手があがっているからといって、「なんて不謹慎な人間だ」とは絶対に思いません。むしろ応援したい気持ちになるものです。

そもそもプレゼンテーションは、スピーチコンテストの場ではありません。聞き手は、「話し手が淀みなく話しているか」とか「スムーズに言葉が出ているか」といったことを、それほど細かくチェックしていません。ですから少しぐらい話に詰まったりする場面があっても、気にすることはないのです。むしろ訥々とした話し方のほうが、相手にわかりやすく伝わる場合もあります。

とはいえ、あまりにあがってしまうと「声が小さくなる」「頭の中が真っ白になって、言葉が浮かばなくなる」などのデメリットが生じるのも事実。これらのデメリットにうまく対処するには、事前の準備がモノを言います。

暗記するほど事前準備する

この事前準備をしっかりと行っているのが、欧米のビジネスパーソンです。よく日本人は欧米人に対して「彼らは子どもの頃からスピーチをする機会が多いから、プレゼンもうまいのだ」という先入観を抱いています。確かにそれも事実でしょう。

私は彼らと一緒に仕事をした経験があるのでわかるのですが、欧米のビジネスパーソンは日本人の比ではないぐらいに、プレゼンのリハーサルに時間をかけます。本番で話さなくてはいけない内容を、徹底的に頭に叩き込むのです。

するとどうなるか。緊張のために頭が回らなくなったとしても、言葉が勝手に出てくるような状態になります。つまり彼らのプレゼンが日本人よりもうまいのは、事前準備の賜なのです。

声の大きさについても、日頃から大きな声で話すことを心がけておけば、プレゼンのときに少々あがって声が小さくなっても、デメリットは最小限にとどめることができます。

どうしてもあがりそうで不安なときには、大きく深呼吸をしてみましょう。4秒吸って、4秒呼吸を止めて、8秒間かけてゆっくり吐く。これを数回繰り返せば、確実に緊張感がやわらぎます。
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