10円まんじゅうで明らかになった需要を喚起する価格戦略とは?
価格は消費者に強力なメッセージを発する! |
価格というのは顧客に対する最も強力なメッセージですから、1個10円という価格設定は多くの顧客を惹き付けるのに十分なパワーを持っています。このように本来まとめて売っていたものをばらして販売する価格戦略は“小口化”と呼ばれています。商品の価格にインパクトを持たせたい場合や、商品の価格が高くてあまり需要が見込めない場合など、商品を小口化して値頃感を出すことにより、より多くの需要を喚起することが可能になります。
このような小口化戦略を採用して、成功している商品の代表が“チロルチョコ”です。チロルチョコは1962年の登場から10円という非常に安い価格設定で多くの子供たちから愛されてきました。途中20円、30円と価格の見直しが行われましたが、今でも小さいサイズは10円、大きめのサイズは20円と45年経った今でも発売当初と同じ価格を維持してロングヒットを実現しています。
また、小口化して価格にインパクトを持たせる戦略は何も商品に限ったことではありません。サービスにも同じような価格戦略を適用することが可能です。サービスの場合は同じ発想で、時間の切り売りという形をとります。たとえば、駐車場。通常の駐車場は月極めで高額な駐車代金を納めなければ利用できません。ところがこの駐車場というサービスを月極めではなく、時間貸しにすることで都心においても手頃な価格で利用でき、より多くの需要を喚起することができます。今では街の至る所で目にしますが、100円パーキングがこの月極め駐車場の小口化というわけですね。
今回10円まんじゅうの大ブレークはその商品のクオリティもさることながら、意図的に価格にインパクトを持たせブームを起こす価格戦略の成功事例として参考になるのではないでしょうか。
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