マーケティング/マーケティング事例

「ねこのたまご」って食べた事ありますか?(2ページ目)

普通ネコは卵を産みませんよね。ところが「ねこのたまご」という食べ物があるのはご存知ですか?北海道を中心にヒットしたこの食べ物が今や関東や関西でも話題を呼んでいます。果たして「ねこのたまご」とは・・・?

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

マーケティングの入り口はいかにお客の注意を引くかだ!

生活者の消費行動に対してマーケティング戦略を駆使していく上で最も重要なプロセスはやはり第一段階のAttentionの部分、お客様に商品の存在を気付いてもらうことです。企業はお客様に自社の商品を認知してもらうために様々な手段を用いています。テレビCMを始め、新聞広告、チラシ、ダイレクトメール、電話セールス、営業担当者の訪問など何らかの手段でお客様と接触し、自社の製品に興味(Interest)を抱いてもらおうと懸命になります。ただ、自分の場合を考えてもらえばわかりやすいのですが、お客の側から言わせれば、毎日数え切れないくらいの企業の商品やサービスのプロモーションに接し、いちいち全てを覚えていられないし、興味が湧かないのが真実ではないでしょうか。

ねこのたまご
大福でもネーミングでヒットが望める!
そこで企業側とすると奇抜なネーミングでまずはお客の注意を引くという方法が考えられます。たとえば、「ねこのたまご」と聞けば、通常猫は卵など産まないのでお客は「ねこのたまごって一体どんなものだろう?」という好奇心に駆られます。商品がおいしいか、おいしくないかはさておき、一度は試してみたくなるのが人の心理でしょう。そこで一回食べてみると、これまでに無い食感と絶妙のおいしさでリピート購入するお客が増えてくる。これが企業が望む理想の展開ではないでしょうか。

また、奇抜なネーミングは前述したようにマスコミの取材ターゲットにもなりやすいですし、個人レベルでも話の種として口コミを広げる効果も発揮します。旅行先でのお土産や訪問先の手土産とする時、「ねこのたまご」という変わった名前は話題の一つとなり円滑なコミュニケーションを促進する一つの材料とも成り得ます。

他にもあるぞ!変わったネーミング『ゴリラの鼻くそ』

何も奇抜なネーミングで爆発的な売上を記録したのは「ねこのたまご」だけではありません。その代表格が「ゴリラの鼻くそ」。この「ゴリラの鼻くそ」は黒豆を使った薄甘納豆なのですが、東京の上野動物園を始め全国の動物園を中心に、発売後5年で200万袋の販売を達成し、今では「Gorilla boogers」(ゴリラノハナクソ)としてロサンゼルスやシアトルなどアメリカにまで進出しています。この商品名が「黒豆甘納豆」だったとしたら果たしてこれほどの快進撃を続けることは難しかったと言えるでしょう。

「ねこのたまご」にしろ、「ゴリラの鼻くそ」にしろ、一度聞いたら忘れられないネーミング。商品に絶対の自信があるのだがなかなか売上に結びつかないと感じたら、奇抜なネーミングで話題を振り撒き、消費者の気を引く戦略も有効に機能するといういい事例ではないでしょうか。


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