マーケティング/マーケティング事例

激化!“甘くない”炭酸飲料の甘くない戦い

今、炭酸飲料市場が熱い!無糖炭酸という新しいジャンルでヒットを飛ばしたキリンビバレッジの「NUDA」。その甘い果実の恩恵に与ろうと飲料各社が無糖炭酸市場に参入。果たして厳しい競争に勝ち残るのはどの企業か?

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

新たな市場確立を目指す炭酸飲料メーカー

キリンNUDA
新たな無糖炭酸飲料の市場で火付け役となったキリンの「NUDA」
前回お届けした炭酸コーヒー。炭酸とコーヒーという組み合わせで新たな市場開拓を目論むのはネスレ日本でしたが、実は炭酸飲料マーケットを巡って他にも新たな挑戦、激しい競争が繰り広げられています。それが糖分ゼロで“甘くない炭酸飲料”を謳った無糖炭酸飲料。

この“甘くない炭酸飲料”ブームの火付け役となったのはキリンビバレッジが2月に投入した「NUDA」。モデルの梨花さんやお笑いタレント、ナインティナインの岡村さんを起用して軽快な音楽にあわせてダンスを踊るCMはインパクト十分で多くの消費者の認知を勝ち取ることに成功しました。オリコンの発表するCM好感度ランキングでも2006年3月に高校生男女総合編で2位、F1F2(女性の20歳から49歳の層)総合編で5位にランクインするなど幅広い層から支持を受けているのがわかります。このCMが効を奏してか、6月までに100万箱以上のヒットを記録し、当初の予測を大きく上回るという好調な滑り出しを見せました。

ところがキリンビバレッジ以前に無糖炭酸飲料に注目していたメーカーがあります。それが発泡天然水「クリスタルガイザースパークリング」を「NUDA」に先駆けて市場に投入していた大塚ベバレジ。2004年に九州地区で先行販売していた「クリスタルガイザースパークリング」を2005年に首都圏にまで販売を拡大。購入層は今まであまり炭酸飲料を手にしていなかった30歳前後の女性が中心となり、取り扱い店舗では品切れが続出するなどこちらも予想外の売れ行きを記録しました。この成果に気をよくした同社は今年から発泡天然水を全国的に販売することを決定し、新たな市場で新たな顧客の獲得を目指しています。

無糖炭酸市場では激しい競争の兆しが・・・

このように無糖炭酸市場がブームの兆しを見せる中、この2社の成功にならえと「おーいお茶」など緑茶飲料が主力の伊藤園も発泡天然水「ナチュラルスパークリング」を5月に発売。加えて、JTは「Aqua Dieta」、サントリーは「酸素入りスパークリングウォーター新呼吸」を6月から発売するなど熱い夏を前にして甘くない炭酸飲料の甘くない競争が始まろうとしています。

炭酸飲料市場のマーケット規模は5000億円を超える大きさなのですが、この無糖炭酸飲料のマーケットはその10%にも満たないのが現状です。どうしてそのような小さなマーケットにこのような多くの企業がこぞって参入するのでしょうか?確かに健康ブームに乗ってカロリーの無い無糖炭酸市場は今後大きくなることが予想されます。ただ理由はそれだけではなさそうです。その謎はどうやら炭酸飲料の市場構造に起因すると言えそうです。

企業はなぜ敢えて小さなマーケットに参入するのか?そこには厳しい競争環境の中で生き残るしたたかなマーケティング戦略が!・・・次ページにお進み下さい!
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