売れる理由その1:テレビCMによるブランディング
いかに素晴らしい商品やサービスを持っていたとしても売れるとは限らない。マーケティング戦略をいかに駆使するかが勝負だ! |
雪国もやしはこのライバルが実施しないプロモーション戦略をリスク覚悟の上で採用することにより、“もやし”という商品の中で差別化を図り、ブランドを確立することに成功したと言える。たとえば、テレビCMの影響で「もやしと言えば?」の問いに対して「雪国もやし」と答える人は確実に増えているはずである。このようなイメージの定着により、スーパーなどの店頭でもやしを買う時に雪国もやしが頭をよぎる主婦の方も多いのではないだろうか。
売れる理由その2:価格の高さへの興味
雪国もやしの店頭価格は1袋58円。通常のもやしに比べれば20円から30円割高ではあるが、金額にしてみれば微々たるもの。景気の回復と相まって最近の消費者は安いだけの商品を求めるのではなく、価格が少々高くても品質の良い商品へと消費をシフトしてきている。たとえば、紳士服のスーツなども一時期商品の主流であった1万円台のスーツは売れ行きが鈍り、高くてもより品質の良いスーツを求めるお客が増加しているという統計も出ている。雪国もやしはこのトレンドに乗り、高くてもおいしい商品を望む消費者の心をくすぐることに成功したと言えそうだ。売れる理由その3:人間の天邪鬼的な心理を利用
人はあることを禁止されると逆にそれを破りたくなる心理が働く。たとえば、マーケティングとは直接関係ないが、親に恋人との恋愛を反対されると逆に燃え上がって駆け落ちに至るパターンはその典型的な例だ。「高いけど買って!」と売り込まれればお客は引く可能性が高いが、逆に「高いよ!買うな!」と言われれば「へぇ~どんな商品だろう。一回買ってみようかな。」と思うお客も少なからずいるはずだ。同じような事例は俳優の八名信夫さんが「う~ん、まずい!もう一杯!」というテレビCMで知られるキューサイの青汁にも見られる。普通はおいしい商品だから買おうと思うのが消費者心理であるが、テレビで本当にまずそうに青汁を飲む八名さんの顔を見て「まずいって言ってるけど、本当はどのくらいまずいんだろう?」という興味が湧いてきて商品を購入するお客が後を立たなかった前例もある。
いくら企業がこだわりのある素晴らしい商品やサービスを持っていても、それだけでは爆発的な売上は望めない。雪国もやしの大ヒットは企業の持つ素晴らしい商品やサービスをいかに消費者に認知してもらい、購入に結び付けるかを実現するマーティング戦略の妙手として参考になるところが多いのではないだろうか。
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