資生堂の社運を賭けたマーケティング戦略
このような激戦の続くヘアケア市場において普及価格帯の商品に「スーパーマイルド」、高価格帯の商品に「フィーノ」を抱える資生堂は4番手と後塵を拝しており、シェアトップを奪取するために不退転の決意で 今春“TSUBAKI”ブランドを投入。その意気込みはプロモーション費用からも窺えます。同社ではTSUBAKIのプロモーションに過去最高の50億円を惜しげもなく投入し、CMソングにはSMAP、CMのキャスティングには6人の日本を代表する女優陣を起用するなど超豪華なプロモーション活動を繰り広げてきました。その手法はターゲット顧客と想定する層に絶大な支持を受けるSMAPの曲で注意を惹き、6人の女優それぞれが持つ個性でより多くの消費者に訴えかけるものであり、競合他社の一人の芸能人をメインとするプロモーションと比べてもその差は歴然です。このコストをかけて練りに練ったマーケティング戦略はCM好感度にも如実に現れています。オリコンエンターテイメントの調査によれば20代から40代までの女性を対象にしたアンケートではTSUBAKIのCMが2006年5月度のトップに輝いていますし、SMAPの歌うCMソング「Dear Woman」も同じくテレビCMタイアップ曲好感度ランキングNo.1に輝くなどまずは狙い通りの成果を実現しています。共感できるメッセージ『日本の女性は美しい』
『日本の女性は美しい』-そのメッセージは多くの日本人女性の共感を得ることに成功した! |
このような資生堂の“本気”のマーケティング戦略が功を奏して、今春TSUBAKIが遂に長い間ヘアケア商品をリードしてきたLUXを捉えシェアでトップに躍り出ました。ただ、集中的に巨費を投じたプロモーション活動による露出で売上は目標のシェアトップを実現しましたが、問題は今後のシェア動向です。TSUBAKIが確固たるブランドを確立して、今後プロモーションに費用をかけずともファン客を掴みリピート購入してもらえるかどうか。これからTSUBAKIは正念場を迎えると言えそうです。
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