営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

おいしい条件を引き出す営業テクニック(2ページ目)

今回は「相手の要求を呑みながら、その見返りとして、こちらにとってよりおいしい条件を引きだしていく」という交渉テクニックをお伝えします。ポイントはお客さんに、こちらの「苦労の様子を見せつける」ことです。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

譲歩した以上の利益を引きだすためのテクニックとは?

では、バーゲニング法の具体的なテクニックを見ていきましょう。例えば、商談の場面でお客さんが、「もう10%ほど値引きしてくださいよ」と要求してきたとします。

「10%ぐらいだったら、自分の裁量で何とかできるかな」と思っても、すぐには要求に応じてはいけません。「それはちょっと厳しいんですよね。基本的には値引きできるのは、3%までなんですよ」と答えます。

当然3%では、相手が納得してくれないケースの方が多いですよね。次に営業マンは、「では5%まで値引きしましょう」とさらに譲歩します。それでも、相手の要求には5%足りません。まだまだ歩み寄りが必要です。

そこで営業マンは、ちょっと困ったような、でも決意をしたような表情で、こんなふうに言います。「わかりました。御社のご要望にお応えするために、今回は10%の値引きをいたします。かなり厳しいのですが、上司にかけあって何とか実現してみせます」と。

これだけ悩みながら譲歩をしていく様子を見せつけられると、お客さんとしては、すごい値打ちのある価値を手に入れたように感じます。また「こっちの要求をごり押ししてしまったな。何か見返りをしなければ」という気持ちにもさせられます。ここがチャンスです!!

「今回は10%の値引きをいたします。ただその代わり、かならず●●個の数量をご購入いただくことを約束いただけませんでしょうか」という提案をするのです。お客さんは、「何か見返りをしなければ」という気持ちになっていますから、この提案は受け入れられる可能性は小さくありません。

大量受注を実現できたときの「利益」に比べれば、10%程度の値引きをしたことによる「損失」なんて小さなもの、ということもあり得ます。こうして相手に貸しを作って、貸しを作った以上の見返りを引きだしていくわけです。

こうしたタフな交渉は、日本人はあまり得意ではありません。その点アメリカ人は、「またかよ」と思うぐらいに、交渉のときにはバーゲニング法を多用します。もちろんアメリカ人のようになる必要はありませんが、日本の営業マンを見ていると、あまりにも無条件に譲歩をする人が多すぎます。バーゲニング法を身につけて、したたかな営業マンをめざしてください。

■関連記事

交渉術の極意7~リフレーミング法
交渉術の極意6~責任転嫁&フェイク熟考法
交渉術の極意5~If提案法
交渉術の極意4~ブラフ提案法
交渉術の極意3~お客を誘導するテクニック
交渉術の極意2~PPRを準備せよ
交渉術の極意1~勝海舟に学ぶ交渉術
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで営業関連の書籍をチェック!楽天市場で営業関連の書籍をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます