コーチング/信頼関係作り

一瞬で相手の立場に入る方法(前編)(2ページ目)

コーチングスキルは学んだけれど、実際にはなかなか使えない、使ってみてもうまくいかない……。そんな経験ありませんか?実はスキルよりももっと大事なことがあるのです!

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


第1ステップ:相手が話している対象をつかむ

相手と並んでいる意識を持つ

これから、「相手の立場に入る」ステップを細かく見ていきます。このステップを意識して、日々訓練することで、あなたも一瞬にして相手の立場に入れるようになっていきます。

最初のステップは「相手が話している対象をつかむ」ことです。まずは「相手が話しているテーマ」をつかみましょう。

あなたの目の前の部下は「何について」話しているのでしょう? 彼、彼女が取り組んでいる仕事のことについてでしょうか? 仕事であれば、その中のどの部分について話しているのでしょう? もしくは、誰か気になっている人がいて、その人について話しているのかもしれません。

特にあなたが分析したり、考えたりする必要はありません。ただ、相手が話していることを聴きながら、相手が「何について」話しているかに焦点を向け、それをつかみます。

普段、人の話を聴く際には、無意識に行っていることですが、まずは何を話しているのかを意識して聴きます。そして、「相手は○○について話しているんだなあ」ということをつかんだら、そこで留まることが重要です。

ついつい、そこから、それに対する解決策を考えたり、相手に対する評価判断をしてしまいがちですが、それはせずに、ただ、相手が「何について」話しているか、にだけ意識を向けてみましょう。

第2ステップ:相手が話している対象を見ながら横にいる


さて、相手が話している対象をつかんだら、それに意識を向けたまま、次のステップは「相手の横にいる」ことに移りましょう。といっても、物理的に相手の横にいる必要はありません。イメージの中で、相手の横に立ったり、座っているような感覚になってみるのです。もちろん、実際に行っても構いません。

このときも、余計なことは考えず、ただ「相手は○○について話しているんだなあ」というところに留まりながら、相手の横にいることが大事です。あなたは何も考える必要はないのです。ただ、相手が話している対象を見ながら、相手の横に立ったり、座ったりすればいいだけです。

いかがでしょう? まずはここまでの第1ステップ、第2ステップを毎日訓練してみてください。部下だけではなく、どんな人と話しているときにでも、ちょっと意識するだけでこの2つのステップがどんどん上達していきます。

第1ステップ:相手が話している対象をつかむ
第2ステップ:相手が話している対象を見ながら横にいる


この2つのステップができるようになれば、「相手の立場に入る」のはもうすぐです。とにかくこれには「慣れ」が重要ですので、気がついたら訓練してみてください。


後編では、さらなるステップを紹介していきます!
一瞬で相手の立場に入る方法(後編)

【参考書籍】
■ 『コーチング・バイブル』(ローラ ウィットワース他著 CTIジャパン訳 東洋経済新報社)
■ 『絶妙な「聞き方」の技術』(宇都出雅巳著 明日香出版社刊)

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