「相手の立場に立ちましょう」。コミュニケーションをよくするコツとしてよく言われますが、なかなか簡単にできるものではありません。無理して「相手の立場に立とう」とするより、実は「自分の立場に徹底的に立つ」ことが近道なのです。

《CONTENTS》●「相手の気持ちもわかる」けれど……(1P目)●自分の立場に徹底的にこだわれ!(1P目)●「……と俺は思う」と付けてみる(2P目)●自分を尊重すれば、相手も尊重できる(2P目)


「相手の気持ちもわかる」けれど……

「部下の立場に立て」と言われても……
大手銀行で課長を務める古川さん。最近、直属の部下のことで悩みを抱えています。その部下はとても優秀で、古川さんも期待しているんですが、融通が利かないというか、自分の正しさにこだわるところがあるのです。

4月から大事なお客さんを任せたものの、正論をふりかざすばかりでお客さんとの関係は強くなるどころか、悪くなっているようです。

今日も、その部下に状況をヒアリングしたら、お客さんに対する批判を口にするので、ついつい怒鳴ってしまいました。

後味が悪く、古川さんは大学からの友人である山田さんに会って相談することにしました。

山田さんに部下への悩みを打ち明ける古川さん。いろいろと話すうちに、「まあ、部下の気持ちもわかるんだけどなあ」とこぼした瞬間、山田さんからこんな一言が飛び出しました。

「相手の立場に立とうとするなよ」

自分の立場に徹底的にこだわれ!


「でも、相手の立場に立つことは大事じゃないの?」とびっくりする古川さんに、山田さんはこう言いました。

「まずは、自分の立場に徹底的に立ってみろよ」
「気が済むまで、お前が思っていることを話してみろよ」


最初は遠慮していた古川さんも、山田さんに促されるうちにだんだんとヒートアップして、部下への批判、さらには悪口までガンガン出てきました。

「そもそも、カッコつけすぎているんだよ」
「あれじゃ、お客さんからも若手からも信頼されないよ」
「俺に怒鳴られたからって、ふてくされているようじゃダメだよ」


山田さんはうなづきながら聴いてくれています。古川さんは後から後から出てくる自分の言葉に、われながらびっくりしていました。途中で、「部下だって……」とふと頭によぎることがありましたが、それを振り払って、とにかく自分の思いをぶちまけました。

古川さんがだいぶ落ち着いてきたときに、山田さんが言いました。

「これまで言った言葉の最後に、○○○○○と付けてみて言ってみてよ」

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