不動産売却・査定/買い換えの基本とテクニック

<12>借金を整理するために家を売る(2ページ目)

借金が多すぎて家が売れないという読者の声がありました。確かに、基本を借金を全部返さないと抵当権をはずしてくれないので、売れないのですが、交渉して家を売り借金も整理した人もいます!

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド


処分した後に残る借金をどうするのか?


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返しきれない借金を引きずって苦しむよりも、ゼロから出直したほうが将来は明るいかも?
売ったお金でローンを完済できないとなれば、残った借金をどういう方法で返していくかということが本当に大事なテーマです。その解決策を銀行とよく話し合って、何らかの約束(将来の弁済を約束)をして銀行が納得してくれるように努力はしないといけません。

たとえば、毎月の給料の中から、1万円でも2万円でも返していくとか、現在の返済期限を延長して返済額を低くおさえるとかの対応策は、いくつかあるはずです。その変更計画を誠意を持って銀行と約束すれば、銀行はそれを受け入れる場合があります。

もちろん、ローンを完済できないのに家を売るのは、簡単なことではありません。しかし、むしろ怖いのは、そうした厳しい現状を放置しておいて(あるいは問題を先送りしておいて)、金利が上昇してきたときです。

今までは、なんとか返済できていたものでも、金利上昇で支払い利息が増えて払えなくなります。インフレと同時に、地価の下落が同時進行した場合には、売って返せるお金も今よりは少なくなるわけですから、問題の先送りは銀行にとっても痛手です。

そこらへんの見通しを銀行と共有した上で、お互いにとってベターな解決策が、まさに質問になるような「普通の売却」です。売っても返せないといって、そこであきらめてはもったいないです。

弁護士やファイナンシャル・プランナーにも債務処理を得意とする専門家がいますから、相談すればいろいろな策はあります。

売って残った借金を返す当てが全然ないというケースでは、個人版の民事再生法の活用や、最悪の場合には自己破産という手もあります。それでも、ゼロからやり直した方が、将来は明るいというケースが確かにあります。

まじめな人ほど、最後までいっしょうけんめい頑張ってしまって、事態をより悪くさせてしまうことがあります。現状を放置しないで、手法を変えて根本的な解決をはかるために一日も早く専門家に相談し、危機を脱出してください。
◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

【ライフプランの中で家の買い換えを考える バックナンバー】

<11>「家族の年表を作ってみよう」
<10>「離婚したときには家はどうする?
<9>「故郷にUターンで大らかに暮らす」
<8>「高齢者に優しいマチへの買い替え」
<7>「子育て環境で町を選ぶ買い替え」
<6>「親との同居は仕方ないのか?」
<5>「家の最適面積はこうして決まる!」
<4>「街の満足度ランキング」
<3>「子どもの教育を考えた住まい探し」
<2>「相続で家をもらっちゃった!」
<1>「退職前後の家の買い換え」
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