住宅工法/耐震住宅・住宅工法

地震に負けない家づくり(2ページ目)

耐震構造、免震構造、制震構造。近頃、建物の宣伝文句としてよく聞くようになったこの言葉。しかしこれらはどんなところが違うのでしょうか。今回はこの3つの構造の違いについて学んでいきましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

家具什器の扱い方

阪神・淡路大震災の死因トップは住宅倒壊による窒息死・圧死で、約67%の人が亡くなったといわれています。そしてこの67%のうち54%の人が窒息死で亡くなっています。窒息死とは、胸部や腹部を圧迫されて呼吸ができなくなる状態のまま長時間圧迫された後に死に至ることをいいます。原因はさまざまありますが、中でも気をつけたいのが、本棚やタンスなど大型家具の転倒です。震度5強の地震であれば、重いタンスも簡単に倒れてしまいます。2段重ね式の家具はつなぎ目を金具でしっかりと連結し、背の高い家具はL字金物やささえ棒などで固定することを望みます。テレビや水槽などもできるだけ低い位置に置いたほうがよいでしょう。さらにガラスの破片でケガをする人がとても多いので、窓ガラスには、飛散防止フィルムを貼ったり、合わせガラスを使うと安全です。

家の中の安全対策

地震時の安全対策については、次のように考えておくことが望ましいでしょう。

1.家の中に逃げ場としての安全な空間をつくる
2.安全に避難できるように出入口や通路に物を置かないようにし、寝室からの避難経路を決めておく
3.子ども部屋や高齢者の部屋にはできるだけ家具は置かない。


一般に災害時には、火の始末や消化器の設置などが大事だと言われていますが、突然大きな地震が起きれば当然パニックになってしまいます。そのため、室内の家具什器などは日頃から点検をする習慣をつけておくことです。理想をいえば、家具などは必要なものだけを用途に応じて設置し、他はなるべく納戸やウォークインクローゼットなどに集中収納するとよいでしょう。そしてゆとりある空間を確保することが、安全かつシンプルライフにもつながるのです。

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地震に強い木造のつくり方

・・・これだけは読んでおきたい家づくり講座・・・
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「満足する一戸建てをつくるには」第2回:あなたの土地に地耐力はある?
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「満足する一戸建てをつくるには」第5回:設計図面ってどう見るの?
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