【ガイドの不動産売買基礎講座 No.32】

近年はさまざまな工法・素材を用いた個性的な一戸建て住宅も増えてきているようですが、あまり奇抜なものになると将来、中古住宅として売り出したときに、はたしてうまく売却できるのか心配にもなります。

それはさておき、一戸建て住宅の工法について一般的に用いられる種類とそれぞれの特徴をまとめてみました。住宅の構造は主に軸組構造と壁構造の2種類に分かれますが、工法でみるとさらに種類が多いため、主なポイントを知っておきましょう。


木造軸組工法(在来工法)

日本で最も普及し、歴史も古い工法です。ただし、伝統的な工法がそのまま用いられているわけではなく、時代のニーズに合わせてさまざまな改良が加えられています。

鉄筋コンクリート造の基礎のうえに木材で土台を造り、柱や梁を組み合わせた骨組み(軸組)に床、壁、屋根を取り付ける工法です。

間取りなど設計の自由度が高く、開口部を大きくとることもできます。また、増改築工事が比較的容易にできるなどメリットの多い工法でしょう。その反面で、防火性や耐震性の問題を抱えているため、十分な対策を講じることが欠かせません。


枠組壁工法(ツーバイフォー工法)

正式には「プラットフォーム・フレーム工法」と呼ぶようですが、2インチ×4インチの規格化された部材を基本とすることから「ツーバイフォー」と呼ぶことが一般的です。国内では1974年に住宅の一般工法として認められました。

ちなみに使用する規格はツーバイフォーだけでなく、ツーバイシックス、フォーバイフォーなど7種類ほどあるようです。

枠組部材に構造用合板や石こうボードを張り付けたパネルを組み合わせて床、壁、天井を造っていきます。

工期を比較的短くすることができ、耐震性、耐火性に優れるというメリットがある反面で、機密性の高さゆえの結露の生じ易さ、間取りや開口部(出入口・窓)の自由度に欠けるなどの欠点があります。


鉄筋コンクリート工法

耐久性、耐震性、耐火性、遮音性に優れているため、住宅の工法としても数多く取り入れられています。鉄筋で柱、梁、壁、床などの基本構造を組み、そのまわりにコンクリートを流し込む工法であり、木造に比べて工費が高く、工期も長くなりがちです。

構造的には、壁自体によって加重を支える「壁式構造」と、柱と梁で骨組みを造る「ラーメン構造」に分かれますが、それぞれ一長一短があり、どちらが優れているとはいえません。

「壁式構造」は室内に柱や梁が出っ張らずにすっきりとした空間ができることや、工費が比較的安いというメリットがある反面で、間取りや開口部の設置などに制約が多くなってきます。

「ラーメン構造」は間取りが比較的自由で、窓などの開口部も位置や大きさの制約が少なくなります。その一方で「壁式構造」よりも工費が高くなり、柱や梁が室内空間に出てしまうなどの欠点もあります。

なお、最近のマンションではこの柱や梁が室内に出る欠点をなくすように、逆梁工法やアウトフレーム工法なども盛んに取り入れられています。


木質系プレハブ工法

昔はプレハブといえば即席の簡易建物のようなイメージもありましたが、現代では高級住宅の建築にも用いられています。あらかじめ工場で厳密な品質管理のもとに生産された床、壁、天井などのパネルを現場で組み立てて建築されます。

コストダウンが図られ工期も短くて済むうえ、面全体で荷重をバランスよく受け止めるため耐震性や風に対する強度も強く、また耐火性や気密性にも優れるというメリットがあります。

その反面で、気密性の高さゆえに湿気によって木部が腐食しやすいという欠点もあり、日常のメンテナンスが欠かせません。


鉄骨系プレハブ工法

建物の基本構造を工場生産された鉄骨材で組み立てるものです。基本的には「軸組工法」「軸組パネル工法」「パネル工法」などに分かれますが、具体的な工法は住宅メーカー各社でさまざまなバリエーションがあるでしょう。

木質系の場合よりも品質が安定しており、より優れた長所がある一方で、サビへの対策がカギとなります。


コンクリート系プレハブ工法

工場生産によるPC(プレキャストコンクリート)パネルを使って床、壁、天井を組み立てます。耐火性、断熱性、遮音性には特に優れた性能を有する反面で、PCパネルの自重のためにクレーン車などを用いた大掛かりな工事になりやすく、工事可能な敷地が限定されます。

また、間取りや外観デザインなどの自由度が低いといった欠点もあります。

プレハブ工法(工業化工法)はいずれも住宅の部材を工場で生産するため、品質が安定し一定の性能を確保しやすいのですが、住宅の基礎自体は現場施工にならざるを得ません。基礎工事の品質が住宅に影響することもあるでしょう。


ユニット工法

その材質により「木質系ユニット工法」と「鉄骨系ユニット工法」に分かれます。工場で設備までを取り付けたルーム単位のユニットを仕上げ、それを施工現場で組み立てるため、工期をかなり短くすることができるでしょう。

イメージ的には積み木のようで怖いような感じもしますが、実際にはそのようなことはなく、強度を高めたり優れた性能を確保するため、各社さまざまな工夫を凝らしているようです。


丸太組工法(ログハウス)

都市部ではあまりみられませんが、丸太材(ログ)を積み上げて壁を造るログハウスも次第に普及しつつあるようです。1986年に一般工法として認められました。

居室などには内装材をほとんど使わず、木の優れた特長を生かして、ぬくもりのある部屋づくりをすることができます。


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