制震装置を採用する住宅メーカーが増えてきた!?

ここ数年、制震装置を導入する住宅メーカーが増えているように感じます。制震装置とは、地震の揺れを軽減する装置のことです。

導入の理由は、もちろん、耐震性を高めるためなのですが、なぜ、耐震や免震ではなく、制震装置なのでしょうか。それは、住宅メーカーの多くが東日本大震災を分析し、これからの地震対策は揺れによる損傷の蓄積を防ぐことが重要だと考えるようになったからです。

住宅メーカーがそう考えるようになったきっかけは、「余震」にありました。

阪神・淡路大震災は13回、東日本大震災は593回

1995(平成7)年1月17日、阪神・淡路大震災が発生しました。この地震がきっかけになって、住宅の耐震基準が見直され、建築基準法が改正されるなど、住宅業界には大きな影響を与えました。

2011(平成23)年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生し、大きな津波による被害が発生しました。いわゆる東日本大震災です。このときの地震は、マグニチュード9を越える地震でした。本震の揺れは大きく、遠く離れた東京でも、震度5弱や震度5強を記録しました。

この2つの地震の違いが「余震の回数」なのです。
日本地図

東日本大震災後、3カ月間にマグニチュード5.0以上の余震が593もありました 出展:災害時地震・津波速報平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震(気象庁)

兵庫県南部を震源とした阪神・淡路大震災は、発生から9月30日までの8カ月間でマグニチュード4.5以上の余震が13回ありました。それに対し、東日本大震災では、6月11日までの3カ月間にマグニチュード5.0以上の余震の回数は593回に達しています。

■阪神・淡路大震災 余震の回数(1/17~9/30)
マグニチュード4.5以上 13回

■東日本大震災 余震の回数(3/11~6/11)
マグニチュード7.0以上 5回
マグニチュード6.0以上 82回
マグニチュード5.0以上 506回
合計 593回

こういった状況を分析して、各住宅メーカーは、大地震に耐えるだけでなく、度重なる大きな余震に備える必要があると判断したのです。その結果、本震だけでなく繰り返し発生する余震による建物の揺れを軽減し、負荷を減らすことで建物が受ける損傷の蓄積を小さくすることを目指さなければ、地震の後も住み続けられる家にはならないと考えたわけです。

次ページでは、余震に備える地震対策がどうして制震装置につながるのか、なぜ、地震後も住み続けられる家にするために制震装置が必要なのか、説明していきましょう。