住宅工法/耐震住宅・住宅工法

耐震性のある家づくり2【躯体工事編】 骨組み+接合金物で耐震性UP!

最近目立って使われている接合部の金物。縦方向の力には強い木造ですが、金物や耐力壁によって横揺れに対する抵抗力を補えます。ずさんな工事の噂される今日ですが、正しい使い方と施工法を自らチェック!

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

地盤よし!基礎工事よし!いざ躯体工事へ

地盤を検討し、基礎工事がきちんとできればまず一安心です。地盤改良、基礎工事は建築工事の中で一番重要な工事です。丈夫な地盤、基礎になっているか不安な人は確認しましょう。

---→基本にして最重要!!地盤・基礎 耐震性のある家づくり1 【地盤・基礎編】


確認ができたら、次は柱や梁などの骨組み(躯体)工事です。
ここでの耐震対策として重要なのが、耐力壁部材の接合です。

木造の苦手を克服する耐力壁と金物

建物が倒壊しないように地震の揺れに対してどこで抵抗しているでしょう。(木造住宅のケース)
地震が起きると建物も揺れます。この時の縦揺れは、柱と梁で組まれる木造の構造が強みとなります。一方横揺れは、実は木造の弱みなのです。木造は上からの圧縮力には強いのですが、強い横からの力(水平力)に対しては変形が起きます。そこで柱と梁などの部材をしっかり接合する必要があります。太くて丈夫な柱や梁が耐震対策とは言えません。

特に耐力壁による作用(引き抜きや突き上げる力)と相まって柱・土台の接合が重要であることが明らかになっています。この耐力壁とはまさに水平力による変形を防ぐための構造です。
※【耐力壁】ボード類などの面材でつくるものと筋かいでつくるものとがあります。

------→耐震性と壁構造について
---→在来工法と2×4工法の耐力壁


部材の接合には継手仕口が古くから発達してきましたが、戦後・関東大震災等を経て金物による接合が併用されるようになりました。継手仕口が損傷した場合に部材の脱落を防ぐ、いわば補強材として一般化しています。

接合金物はこんなところで役立ちます!


筋かいプレート
地震や台風の際に建物にかかる水平力に抵抗するための構造に筋かいや耐力壁(面材)がある。筋かいは柱と梁、柱と土台に筋かいプレートで接合され、ボルト、かすがい、釘、その他の金物で緊結される。
アンカーボルト
基礎の上部は木製の構造体である。地震や台風時に基礎と構造体がずれたり、浮き上がったりしないように、基礎と土台はアンカーボルトで緊結する。
ホールダウン金物
柱の端部が土台や横架材から抜け出ないよう取り付けられる。従来ホールダウン金物は通し柱や建物の四隅に入れるものと認識されていたが、平成12年度の建築基準法改正で接合金物の選定基準が設けられ、柱の接合部に使われる場合もある。
羽子板ボルト
柱と梁の接合部分をしっかりと固定するための補強金物。木材は乾燥が進むにつれ収縮する。この木痩せによって接合部が緩まないようにするために取り付ける。
V字プレート・山形プレート
木造で引抜き力を受ける柱と土台、柱と横架材との接合に使用する。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます