うろこ雲・いわし雲・ひつじ雲…… 「秋の雲」といえば何?
これは、ある秋の日の男女4人の会話です……。A子 「すっかり秋の空ねぇ」
B子 「どうして?」
A子 「だって、ほら、さば雲!」
B子 「それを言うなら、いわし雲でしょ」
C男 「いわし、さば、どっちも魚関係だな」
D男 「そういえば、うろこ雲とかひつじ雲っていうのもあったよな?」
B子 「確かに。いったいどれが正しいの?」
うろこ雲、さば雲、いわし雲、ひつじ雲。なんだかよく似ていますが、秋の雲・秋の季語として聞いたことがあるような、ないような……。さて、どれが正しいのでしょう?
うろこ雲、さば雲、いわし雲、羊雲とは? 見られる季節や見分け方
うろこ雲、さば雲、いわし雲は、いずれも高度5000~1万5000m程度にできる「巻積雲(けんせきうん)」の俗称で、小さなかたまりがたくさん集まっています。ひつじ雲は、高度2000~7000m程度にできる「高積雲(こうせきうん)」の俗称です。いずれもほぼ年中見られますが、秋は空が澄みわたり上空まで見通しがきくようになり、高積雲や巻積雲も見やすくなります。また、台風や移動性低気圧が多く近づく秋に多く見られることから、さば雲、いわし雲、うろこ雲、ひつじ雲は秋の季語になっています。
うろこ雲、さば雲、いわし雲、ひつじ雲を明確に区別する定義はないため、どれも間違いではありませんが、しいていえば見た目の様子で区別することができます。
秋の雲:さば雲
鯖(さば)の背の模様のように波状になったもの
秋の雲「さば雲」の一例/鯖(さば)の背の模様のように波状になったもの。
秋の雲:いわし雲
鰯の群れのように見える。この雲は鰯が大漁になる兆しともいわれる
秋の雲:いわし雲の一例/鰯(いわし)の群れのように見える。この雲は鰯が大漁になる兆しだとも言われる
秋の雲:うろこ雲
魚の鱗(うろこ)に似ているもの
秋の雲:うろこ雲の一例/魚の鱗(うろこ)に似ているもの