暮らしと風

「南風号」のように風の名がつく船も多い。
「順風(じゅんぷう)」「疾風(はやて)」「旋風(つむじかぜ)」など、風には2000以上の名前があります。その多くが漁師や農家の人がつけたものですから、風との関りがいかに深いかがわかるでしょう。

また、立春から数えて210目(毎年9月1日ごろ)には「二百十日」、220目には「二百二十日」という雑節があります。これは、稲穂が実る大切なこの時期に台風にみまわれることが多いため、農家の厄日として警戒する日で、日本各地で風を鎮めるお祭りが行われています。
二百十日に何かが起こる~防災の日と風の盆


秋冬に吹く風の名前

同じ現象でも「台風」と「野分」では印象が違ってきませんか。
秋冬に吹く風の名前をピックアップしてみました。その名を聞けば風の表情や情景まで浮かんでくるので、まさに風情溢れる名前といえるでしょう。

【野分(のわき)】
二百十日、二百二十日のころ、野の草を分けながら吹きすさぶ強風、台風。昔は台風のことを野分といいました。

【雁渡し(かりわたし)】
雁が渡ってくる9月から10月に吹く北風のこと。

【いなさ】
南よりの暴風。大雨を伴い、風水害や海難を起こすおそろしい風です。

【金風(きんぷう)】
稲穂を揺らす秋風はまさに「金風」。

秋風のこと。黄金色の稲穂を揺らすことに由来します。

【木枯らし】
晩秋から初冬に吹く冷たい北風で、木の葉が吹き落とされ、枯れたようになってしまうことに由来。気象庁で木枯らし1号が発表されると、冬型の気圧配置になったあかしです。

 

【おろし】
冬山から吹き降りてくる冷たい強風。「六甲おろし」「富士おろし」のように山の名がつきます。

【空風(からっかぜ)】
冬山を超えて吹き降りてくる下降気流で、冷たくて乾燥した風。関東・東海地方の冬の季節風です。
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