春の訪れを感じる「啓蟄」の豆知識

啓蟄はいつ?意味や風物詩を解説

 

春の季語としても使われる「啓蟄」。今年の啓蟄の時期や意味、知っておきたい豆知識をご紹介します。

2018年の啓蟄はいつ?

さまざまな生き物が活動しはじめる時期。テントウムシの姿もみられるようになります

さまざまな生き物が活動しはじめる時期。テントウムシの姿もみられるようになります


啓蟄は二十四節気のひとつです。二十四節気は季節の移り変わりを知るためのもので、約15日間ごとに24に分けられています。啓蟄は毎年3月6日頃~3月20日頃にあたりますが、日付が固定されているわけではありません。二十四節気は1年を太陽の動きに合わせて24等分して決められるので、1日程度前後することがあるからです。

2018年の啓蟄は、3月6日から3月20日です。

なお、啓蟄といっても、啓蟄(二十四節気の第3)から春分(二十四節気の第4)までの期間をさす場合と、「今日は啓蟄です」のように啓蟄に入る日をさす場合があります。


啓蟄の読み方、意味は?

啓蟄は「けいちつ」と読みます。啓蟄とは、「冬ごもりをしていた虫たちが土の中から出てくる頃」という意味で、春の気配を感じて、冬ごもりをしていた虫たちが活動を開始する頃を表しています。

啓には「開く」「開放する」などの意味があり、蟄には「虫などが土の中に隠れて閉じこもる」という意味があります。虫という漢字はもともと蝮をあらわす象形文字で、昔は昆虫に限らず、蛇や蜥蜴、蛙なども虫と呼ばれていました。たしかに、漢字が虫偏になっていますね。

「けいちつ」という言葉の響きや意味が印象的ということもあり、啓蟄は春の季語としても人気です。

昔はカエルも虫と呼ばれていたので、「蛙」は虫偏です

「蛙」が虫偏なのは、昔はカエルも虫と呼ばれていたからです


二十四節気では、啓蟄の前は、雪から雨へと変わり雪氷がとけ始める頃という意味の「雨水」、啓蟄の次は、昼夜の長さがほぼ同じになる「春分」となります。

●白露前後の二十四節気の移り変わり
雨水→啓蟄→春分


啓蟄の初侯・次侯・末侯

二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯は、啓蟄の間にこのように移り変わります。

■初侯:蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)  3月6日頃
啓蟄を詳しく表したもので、冬ごもりをしていた虫たちが戸を開いて顔を出したような表現です。虫に限らず、様々な生き物が目覚める頃です。

■次侯:桃始笑(ももはじめてさく)  3月11日頃
桃の蕾がほころび、花が咲き始める頃。昔は花が咲くことを「笑う」「笑む」と表現していました。花も人も笑うと周囲が明るくなって良いですね。
季節感たっぷりの桃の花と菜の花。春ですね♪

季節感たっぷりの桃の花と菜の花。春ですね♪


■末侯:菜虫化蝶(なむしちょうとなる) 3月16日頃
青虫が羽化して紋白蝶になる頃。菜虫とは菜を食べる虫ということで、紋白蝶の幼虫である青虫をさしています。紋白蝶のほかにも、いろいろな種類の蝶が舞い始める季節です。
まさに、菜虫化蝶。紋白蝶には菜の花が似合います

まさに、菜虫化蝶。紋白蝶には菜の花が似合います



啓蟄の風物詩

啓蟄の期間に、「お水取り」と呼ばれて親しまれている東大寺二月堂の修二会が行われます(3月1日~14日)。奈良時代から続く行事で、終わる頃には冬が明けるので、春を告げる行事として有名です。大きな松明から落ちる火の粉をあびると、無病息災で過ごせるといわれています。

冬の間、寒気や雪、害虫などから樹木を守っていた「菰(こも)巻き」を外すのも啓蟄の頃が多く、春の風物詩となっています。

また、立春(2月4日頃)を過ぎて初めて鳴る初雷(はつかみなり/はつらい)は、啓蟄の頃によく鳴るため、「虫出しの雷」とも呼ばれています。春を知らせ、冬眠中の虫を穴から誘い出す雷という意味で、昔の人は、虫たちはその雷の音に驚いて土の中から出てくるととらえました。想像してみると、なんとも微笑ましいものですね。


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