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山崎パンチョン/シングルモルト限定発売(2ページ目)

10月27日にシングルモルトウイスキー「山崎パンチョン」が数量限定で発売される。パンチョンとは樽の形状タイプのひとつで、本来はラム酒に使われていた。さてこの樽が育む香味とはどんなものか。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

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33歳のしなやかな女性を想像させる

「山崎シェリーカスク」
この春、シングルモルト山崎発売25周年を記念して発売され好評を得た「山崎シェリーカスク」
今年の春、「シングルモルトウイスキー山崎」発売25周年を記念して「山崎シェリーカスク」が限定発売された。この「山崎パンチョン」はカスクではないが、サントリーの多彩な香味を伝える樽シリーズの第2弾といえるものだ。

パンチョン樽は熟成がゆっくりとすすむと先述した。簡単に言えば、長期熟成用の樽ということになる。ただ材はホワイトオークであるから、熟成においてはバニラやココナッツのような香味を育む。これだけはわたしにもわかるが、ニュースリリースの写真をみると、随分と明るいゴールデンブラウンの色をしている。一体どんな香味なのだろうか。

先日、サントリーの藤井敬久ブレンダーとお話をする機会があったが、この「山崎パンチョン」は熟成10年から15年のものをヴァッティングしているとおっしゃっていた。2回目、3回目の使用となる長期熟成用の熟れた樽からの原酒、そして新樽で熟成した原酒が使われているらしいから、選ばれた香味の幅は相当に広いことがわかる。
そしてサントリーの場合、樽の内面の焼き方にも違いがあり、こだわりがあるから、同じ10年、12年熟成のパンチョン樽原酒でも香味の針の振れ方が一様ではない。そういった香味の幅を想像すると、間違いではないのだが、ホワイトオーク由来のバニラのような香味が特長的だ、とは安易に言えないのだ。
ウッディな感覚もあるだろうし、「山崎パンチョン」にはおそらくプラスアルファの複雑微妙な何かが潜んでいるだろう。

わたしの知る限りでは、パンチョン樽での10年という熟成期間は短いといえる。若々しいフレッシュさがある。それに15年ものが加わったりしているようだから、ほどよいバランスの熟成感に仕上がっているのではなかろうか。
勝手な想像だが、33歳くらいの女性が目に浮かぶ。若々しさを保ちながら、ちょっと大人の色気を感じさせる、しなやかな女性だ。香味としてはバニラ様やウッディな感覚とともに心地よいエステリーを感じさせるのではなかろうか。エステリーといっても咲き誇る花、熟した果実ではない。爽やかで華やかな甘さ、軽快なエステリーがあるような気がする。ノージングで、スーッと風が吹くように心地よく抜ける甘さ。それが、わたしが33歳くらいの女性という理由だ。

山崎10年、12年と飲み比べる

わたしの想像が当たっているかどうか、皆さんが実際に飲んで試していただきたい。できるならば山崎10年、12年と飲み比べながらがいい。
山崎10年はパンチョン樽での10年以上熟成の原酒が主体となっているから、
「山崎パンチョン」と飲み比べながらだとホワイトオーク、パンチョンといった図式が明確に体感できるはずだ。
山崎12年もパンチョン樽熟成原酒が重要な役割を担っているが、シェリー樽熟成原酒、ミズナラ樽熟成原酒が隠し味として潜んでいる。「山崎パンチョン」を飲み、山崎12年を飲むと、それらの香味を感じ取る面白味が増す。

ネット(E-liquor)では10月27日正午からの発売となる。さあ、皆さんどうぞ。

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