和を感じさせるミントジュレップ
「SAYURI」石垣忍氏創作 |
今回は東京・渋谷『バー石の華』のオーナーバーテンダー、石垣忍氏の山崎ベースのカクテルを紹介しよう。「SAYURI」「忍者コリンズ」「赤富士」の3品である。
ある夜わたしが石垣氏に「山崎ベースのミントジュレップって、どんな味わいだったっけ」と言ったことが発端だった。
石垣氏は「おつくりしましょうか」とさらりと応え、山崎10年を手に取ってミントジュレップをつくってくれた。これがなかなか新鮮で旨い。そして和の感覚があった。
気に入ってしまったわたしは調子に乗り、「ジャパニーズシングルモルト山崎の香味を生かしたカクテルを創作して」と石垣氏にオーダーしたのだ。そこからアドリブで3品が誕生した。7月末『石の華』でそれらをあらためて飲んでみたのだが、いいのだ、旨いのだ、和なのだ。
石垣氏の山崎ミントジュレップは後述する。まずカクテル3品を伝える。ネーミングは石垣氏とわたしが話し合って決めた。
石垣忍氏創作「SAYURI」「忍者コリンズ」
では、まず2作品のレシピを解説する。● SAYURI さゆり
山崎10年 | 45ml |
アップルタイザー(りんごのスパークリングジュース) | 適量 |
上記材料を、氷を入れたグラスに注ぎ、軽くステアする。
山崎10年の香ばしい甘みとアップルタイザーのりんごの風味がほど良く調和。
爽やかな口当たりと山崎とりんごが醸す和風の香味から初々しい京都の舞子を連想。チャン・ツィイー主演の映画『SAYURI』(MEMOIRS OF A GEISYA)から名を取った。
● NINJYA Collins 忍者コリンズ
「忍者コリンズ」石垣忍氏創作 |
山崎12年 | 3/4 |
ディサローノ アマレット | 1/4 |
柚子果汁 | 1tsp. |
ソーダ水 | 適量 |
氷を入れたグラスに山崎、アマレット、ソーダ水を注ぎ、柚子果汁を絞る。
ジャパニーズシングルモルトを代表する山崎12年の香味と、杏の核が生む杏仁豆腐のような香味のイタリアを代表するリキュール、ディサローノ アマレットが織り成すミステリアスでオリエンタルな味わいが面白い。そこに柚子の和の風味が潜み、神出鬼没の忍者を想わせる。
円筒形の背の高いグラスで供されるカクテルや炭酸ガス含有のカクテルをコリンズと呼ぶ。
ソーダを使わないで、オン・ザ・ロックで愉しんでもよい。
次ページではもうひとつの「赤富士」とミントジュレップについて述べる。
(次頁へつづく)