アメリカンにもEがある
バーのカウンターからボトル棚のアメリカンウイスキーの群れを眺める。ほとんどにEが入っている。世界で最も飲まれているテネシーウイスキーのジャックダニエルにもEがある。よく知られているバーボンウイスキーでは、アーリータイムズやメーカーズマークにはEが入っていない。
おそらく、アメリカンウイスキーの業界では、アイルランドから渡った人たちが地位と幅を利かせたために、Eと綴るほうが多くなったのではなかろうか。
上がジャックダニエル、下がアーリータイムズのラベル。同じアメリカンウイスキーでもアーリータイムズにはEが入っていない。 |
アイリッシュも旨い
メルマガにも書いたが、アイリッシュウイスキーは旨いよ。私はいま、ジャパニーズとアイリッシュを飲んでいる。飲む量ではスコッチはその次の第3位になってしまった。タラモアデュー、ミドルトンヴェリーレア、ブッシュミルズ、ジェムソン、カネマラといった代表的銘柄ばかり飲んでいるのだが、それでもそれぞれに個性があって旨い。
アイリッシュウイスキーの特長についてはいずれ記事にするが、皆さんもそれまでにバーで飲み比べてみておいていただきたい。スコッチだけがウイスキーじゃないってことが、よくわかるはず。
事実、19世紀まではアイリッシュのほうが広く飲まれていて、スコッチは20世紀からといえなくもない。
ウイスキーの歴史はスコッチ中心に語られているから、あまり知られてはいないが、アイリッシュの歴史もなかなかに面白い。勉強すると愉しい。
それとスコッチのシングルモルト人気の中、ひとりカウンターでアイリッシュのグラスを傾けるのは粋だと思うよ。まあ、いつもの通り言いたいのは、ウイスキーってのは何でも旨いってこと。
時と場合によって、アメリカンやカナディアンも飲みこなせるようになると愉しいよ。
前回の「貌で飲むウイスキー。ラベルの美学」もご一読いただきたい。