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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

この店の、この一杯。第48回 渋谷、バー 『AW』新規オープン(2ページ目)

東京・渋谷のバー『AW』が、以前の店から少し移動して新規オープンした。内装は随分と変わってしまったが、人見清子氏の笑顔と彼女のつくるカクテルの味わいは変わらぬまま。どうか新しい店に出かけて欲しい。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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人見氏のおすすめというか、常連客の人気が高いボトルは次の3つ。シングルモルトの山崎18年(¥1,600)、バルヴェニー15年(¥1,400)、カネマラ・カスク・ストレングス(¥1,400)。ジャパニーズ、スコッチ、アイリッシュと見事に分かれていて、なんだか気持ちいい。 山崎18年のおいしさを私に教えてくれたのは人見氏だ。山崎のシリーズはいろいろあるが、スタンダードの12年がいちばんだと思い込んでいた。最も飲み慣れている香味だから安定感があったのだろう。

はじめてAWに出かけた時、山崎シリーズは18年しか置いていなくて、「どうして18年なの」と聞いた。すると彼女は、「私、18年がいちばんおいしいと思うんですよ」と答えた。 そこで改めて18年を飲んでみると、たしかに旨いのだ。シェリー樽での後熟期間をたっぷりと取って生まれたその香味は、まろやかでありながら重厚感がしっかりと溶け込んでいる。飲み慣れた12年とは異なる円熟味を知った。

時に、思い込みを捨ててみよう。

飲み手というのは、時に安心感というものに埋もれてしまい、別の世界へ入り込むことにためらいがちになる。 スタンダードなバーの多くはよく似た品揃えだ。そして山崎12年はほとんどの店にある。だからつい12年を飲んでしまうのだが、これでは遊びがない。広がりがない。

飲み慣れた香味の世界に浸りすぎた私に、広く愉しむことを改めて目覚めさせてくれたバーテンダーが人見氏だった。そして山崎18年って、こんなに素晴らしかったっけと、改めて気づかせてもくれた。それ以来、山崎18年をしばしば飲むようになった。

バルヴェニー15年はシングル・バレルの限定品だが、これも私の大好きな1本だ。ただしアルコール分50.4度と高い。 またカネマラ・カスク・ストレングスは現代のアイリッシュでは珍しい、ほのかにピート香をとけ込ませた佳品。これはカスク・ストレングスだから59.3度と強い酒である。

AWでのおすすめのウイスキーを紹介したが、私がほんとうに言いたかったのは次の文である。 とにかく、新規オープンしたAWへ、そして人見氏へ会いに出かけて欲しい、ということだけである。カクテルもおいしいよ。

『おすすめのバー・東京』もご覧いただきたい。


AW
東京都渋谷区道玄坂2-25-5 3F Tel.03-5458-9066
19:00~2:00(土~0:00)日祝休
チャージ¥1,000、ウイスキー¥1,000、カクテル¥1,000~
地図:Yahoo!地図情報
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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