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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

この店のこの一杯 第33回 背伸びして知る、バー本来の姿。(2ページ目)

『スランジーバ』のオーナーバーテンダー小松利春氏は、銀座一筋に40数年。古き良き銀座を知る彼の店には上客が集う。若い世代にはちょっと似つかわしくないバーだが、ちょっと背伸びして出かけてみるのもいい。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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いまはどうも酒を飲みながら、酒を語ることが多い。とくにウイスキー。シングルカスクだモルトだと、クンクンとノージングして、バーテンダーも客も酒を語りたがる。
若い優秀なバーテンダーが増え、彼らの一生懸命に勉強している姿は立派だが、やはりそこは若さが出る。勉強中がサービスに出る。
いまバーの過渡期だと私は思っている。
小松氏のようなベテランを前にして飲んでいると、バーとは何かということを強く意識させる。
良質な酒を飲みながら、いい話を、いい時間を過ごす。それがバーなのだ。酒を語ることがいかに野暮なことか。


ウイスキーなら、『スランジーバ』ではマッカランがいいか。シェリーの香味の効いた円熟さがこの店には似合う。そのまるみを味わいながら、柔らかい会話を愉しむ。それで心はたっぷりと満たされる。

カクテルは、スタンダードはやはり円熟の味。気に入っているのは『シーサイド』だ。N.Y.はマンハッタンの歴史あるクラブ『21クラブ』のオリジナルを小松流にアレンジしたもの。
ウオツカ、レモンジュース、シュガー、ミントの葉を使い、クラッシュドアイスがいっぱい詰まったグラスでいただく、クールな喉ごしは最高だ。デザートでレモンシャーベットを食べる感覚だ。
甘酸っぱさの中にミントの香味の涼しさが漂う。
20代、30代の飲み手も、ちょっとだけ背伸びして『スランジーバ』の空気感を味わってみるのもいいかもしれない。
いい歳の取り方をしたい、と感じ入るだろう。


SLAINTHEVA
東京都中央区銀座8-5-10 金成ビル2F
Tel.03-3571-3678 18:00~2:00(土~23:00)日祝休
チャージ¥2,000、ウイスキー¥1,000~、
カクテル¥1,200~、シーサイド¥1,300、ビール・ワイン¥800~



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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