ウイスキーの樽はもともと内面を焼くことで熟成に必要なオークの成分を引き出している。ただ古樽を活性化させる場合、古樽内面を炎で燃やすリ・チャーと、遠赤外線で焙るトーストというやり方がある。“焙煎”というのはトーストのことを言う。
サントリーは、その焙煎した古樽に1年ものの梅酒を詰め、山梨県は甲斐駒ヶ岳のふもとの白州蒸溜所に貯蔵した。そして満3年寝かせて世に送り出した。
どうやらこの梅酒を育んだ焙煎古樽には、いまモルトウイスキーが眠っているらしい。
ということは、ひょっとすると世界初の“梅酒樽貯蔵モルト”なんてのが将来登場するかもしれない。あるいは大失敗になるかもしれない。またあるいは深くまろやかなブレンデッドウイスキーのモルトの一役を担うかもしれない。
なんとも夢のある話ではないか。いまシェリー樽やバーボン樽を使ったものが主流だが、梅酒樽仕上げ、というモルトウイスキーが誕生しても不思議でもなんでもない。
さて、それがいつの日になるのか。ウイスキーでもよし、甘酸っぱさに木香が溶け込んだ梅酒でもよし、ゆっくりと味わいながら、いい夢を見ようよ。
ちなみにこの梅酒は市販されてはいない。限定20,000本でオンラインショップで購入するしかない。どうかお早目に。騙されたと思って試してみて欲しい。
焙煎樽貯蔵梅酒 ¥3,000
容量:750ml/アルコール度数23度/生産総数・限定20,000本
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