クリスマスシーズンにふさわしいモルトウイスキーだ。
1980年12月24日蒸溜という、まさにクリスマスボトル。21年熟成もののカスクストレングス(樽出し原酒)だけあって、限定627本のうちの1本というわけだ。
5、6年前まではシェリー樽熟成のものを好んで飲んでいて、この『グレンファークラス』や『マッカラン』をよく口にしていた。シェリー樽で寝かされた濃厚な熟成感のフルボディ・タイプでなければモルトウイスキーを飲んだ気がしなかったものだ。
最近は嗜好が変わって、シェリー仕上げを忘れてしまったかのような感があるが、『グレンファークラス1980』はそれでも試してみたい。おそらくピート香、スモーキーフレーバーがしっかりと備わり、トロリとした舌ざわり、リッチでデリケートな味わいを愉しめるのではなかろうか。
ただその前に、オーナーバーテンダー大槻健二氏がいつもすすめてくれる、スコットランドはキャンベルタウンのモルトウイスキー『スプリングバンク21年』でおそらく気持ちを高めておくことだろう。
『グレンファークラス』のいかにもスペイサイドのフルボディといった香味とは異なり、『スプリングバンク』はキャンベルタウンの華やかでドライな感覚がある。21年のバランスが良く、複雑な香味と心地よいピート香を満喫してから『グレンファークラス1980』を試してみたいと思っている。