かつてはアメリカ南部のクリスマス・ドリンクだったようだが、いまでは世界的に知られ、欧米の子供のいる家庭ではノン・アルコールで聖夜を祝う。
アルコールが入る場合、ブランデーとダークラムを使うのが一般的だが、それにもうひとつマデイラ・ワインを加えた『ボルチモア・エッグノッグ』というのがある。
東京のスタア・バー・ギンザの上野秀嗣氏は、年末から年始にかけてオリジナルの『ケンタッキー・エッグノッグ』をよくつくっている。
これはバーボンウイスキーがベースで、バーボンがつくられるケンタッキー州にちなんでこのカクテル名にした。
上野氏の妻、ジュリー夫人はアメリカ出身で、上野氏は夫人の幼い頃の聖夜の思い出話を聞いてこのカクテルを考案したのだが、牛乳ではなく生クリームを使い、滑らかな大人の味に仕立てている。
バーボンの強さやエグ味を感じない。甘みも爽やかで、口溶けがとてもいい。クリスマスにふさわしい華やかさ、円みがある。
バーボンは厳格な製法基準でつくられるボンデッドと呼ばれる、アルコール度数の高いものを使う。ダニエル・スチュアート12年かオールド・グランダッド100プルーフのどちらかだ。
年末年始、カップルで笑顔で味わいたいカクテルだ。
Kentucky Eggnog
バーボンウイスキー ボンデッド 60ml
生クリーム 120ml
シュガーシロップ 30ml
全卵 1個
上記材料をハンドミキサーで撹拌した後、軽くシェークしてグラスに注ぐ。シナモンパウダーをふりかける。