おなじみの味が勢ぞろい、フランスのパン
パリ近郊の田舎で造っていたのが名前の由来「パン・ド・カンパーニュ
フランスパンの大定番バゲット
最近では、フランス語でパン屋さんをあらわす「ブーランジェリー」という言葉もよく耳にするようになりましたね。私たちが普段フランスパンと呼ぶのは、小麦粉・水・塩・イーストだけで作られるシンプルなパンのこと。本場フランスではこうしたパンを「パントラディショネル」と総称します。長さや形によって呼び名が変わり、杖を意味する「バゲット」、短く太めの「バタール」、長太い「パリジャン」などが有名。田舎パンを意味する「パン・ド・カンパーニュ」にはライ麦を混ぜることもあります。
ベーコン入りのエピ
ほかに、麦の穂の形をした「エピ」、キノコの形をした「シャンピニオン」などユニークな形のパンも。フランス人のパン好きはいうまでもなく、パリでは毎年バゲットコンクールなる大会も開催されているほど。優勝者は大統領に食事用のバゲットを一年間提供できるという名誉も手にするそうですよ。
バターたっぷりのクロワッサン
バターなどを使ったリッチなパンも多彩です。サクサクした食感が特長の「クロワッサン」は1638年オーストリア生まれ。ハプスブルク家がオスマントルコへの勝利を記念して作ったもので、独特の形はトルコの旗印の三日月を表現しているそう。その後、マリー・アントワネットによってフランスに伝えられたといわれます。ちなみに形によって材料が違い、三日月型にはマーガリン、ひし形にはバターを使うのが本場流。そしてもうひとつ、マリー・アントワネットにちなんだパンが「ブリオッシュ」。バターや卵をたっぷり使ったこのパンは、中世ではお菓子に分類されていました。マリー・アントワネットが食糧難にあえぐ庶民に対して、「パンがなければブリオッシュを食べればいいのに」と言ったエピソードが有名ですね。
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