感動の美しさ、エイン・ゲティ、エイン・ボケック
湖底に結晶する塩。場所によっては鍾乳石やサンゴのような形をした結晶も。死海南端には『旧約聖書』で神が滅ぼした幻の街ソドムがあったと言われており、振り返ったために岩塩になってしまったロトの妻の柱がある。©牧哲雄 |
イスラエル側の死海リゾート、エイン・ゲティとエイン・ボケックではまずビーチの美しさに驚いた。
塩湖の色はとても不思議だ。塩分濃度が光の反射に関与しているのか、底に堆積した塩の乳白色が太陽の光や青空とあいまって独特の色彩を見せるのか、ともかく白から青にいたるグラデーションがこの世のものと思われないほど美しい。
ヨルダン側の死海のようにすぐに深くなるとよくわからないが、ビーチ・リゾートであるエイン・ゲティとエイン・ボケックの色は、世界中のビーチを探しても類を見ないものだった。当時のフィルムが盗まれてしまってないのが本当に残念。色彩が際立つのは太陽の光が強い夏の昼間なので、色を見たければぜひこの時期に!
リゾートらしく売店もあるので、英語の雑誌を買ってきて死海で読書をしてみる。もちろん何の問題もなし! 体はやっぱり浮きまくる。
ただ、ちょっとでも目に水が入ると激痛がする。治っていない傷口がある人なんかは地獄を見るそうだ。たしかに看板には "Don't splash !" などと書かれている。あとで出会った旅人はスノーケルを装備して潜ったが、頭を下に向けることさえできなかったらしい。その際に鼻や耳に塩が入り、1週間ほど痛んだのだとか。
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