防犯/子どもを犯罪から守る

「あの先生嫌い」と子どもが言ったら?塾での危険(3ページ目)

「まさか学習塾で」とても信じられないような事件が発生しました。しかし、塾であっても危険はあるのです。そして、その危険に気づいてあげられるかどうか、は親にかかっています。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

「あの先生嫌い」と子どもが言ったら?

『親子で覚える徹底安全ガイド』講師は、その仕事から「先生」と呼ばれる立場ですが、どの世界とも同じように、色々な人がいるのです。「先生」という呼称のフィルターを通してその人を見るのではなく、実際の、その人となりを見えるようになりたいものです。この情報は、子どもから発信される情報がもっとも確実でしょう。

子どもの言葉をそのまま受け止めるのではなく、言葉の向こうにある本心を理解する努力をしましょう。たとえば、子どもが「あの先生は嫌い」と言ったときに、その科目が苦手だから先生のことも嫌いなのか、自分だけに厳しいように感じるから嫌いなのか、自分を変な目で見るから嫌いなのか、など、「嫌い」の理由もさまざまです。

「そんなこと言わないで勉強しなさい」と子どもに言うだけでは、子どもは孤独感や無力感を感じてしまうでしょう。どれだけ真剣に子どもの言葉と気持ちを分かってあげられるか。大人と違って自分だけで解決できない子どもを守るのは親でしかないのです。子どもが本当に訴えたいことは何かを、親は知る努力をしなくてはなりません。本当の理由を知り、そこからするべきことを考え、できることを実行しなくてはならないのです。

親の義務

親としては、塾を選ぶときは子どもが通える範囲の中で、色々な条件が一番いいところを選んでいることでしょう。さらに考えるべきは、「子どもと塾あるいは講師との相性」です。「いい塾なんだから」「みんなが通っているんだから」と強制するのではなく、子どもがのびのびと楽しく学習できることが本来の目的であることを忘れてはなりません。

いつも一緒に塾に行って、一緒に授業を受けるわけではないのですから、やはり子どもからの情報を受け取るということが大切です。そのためには、なによりも「親子のコミュニケーション」が必要です。ただし、話すことが得意な子もいれば、話ベタな子もいるものです。親はわが子の性格、特徴をよく知って、子どもの真意を理解する必要があります。

学校や塾を信頼するには、信頼に足りる人や場所でなくてはなりません。その信頼度を計れるのは、親にしかできないことでしょう。ただ不安感にかられて疑心暗鬼になるよりは、しっかりと事実を見極めて、判断することです。子どもとのコミュニケーションを大切にして、なすべきことをしましょう。子どもがよその場所にいるときは、子どもが「死角」にいると考え、そこでの安全確保に全力を尽くすべきです。

さまざまな危険を想定して、どのように対応すべきかをよく考えて、子どもに伝えましょう。塾ですらも、そこの安全性について徹底的に調べて考えておくことが親の義務です。一定時間子どもの命を託す場所なのですから、親はその意味をよく考えて、子どもの安全と安心を確かなものにしなくてはならないのです。

塾側のあるべき姿勢

塾側としては、雇い入れる講師たちが子どもたちに悪いことをしないかどうかを、事前に十分に調査することも当然ですが、業務が進行している間にも定期的に調査する必要性があるでしょう。

もちろん、学習塾だけでも全国に数え切れないほどあり、講師を雇い入れる際に細心の注意を払っているところもあるでしょう。いい加減なところは長続きはしないものですし、評判というものもあります。しかしながら、今回の事件で、学習塾全体の信頼度が揺らいだことは事実です。これを機会に生徒が不安な状況にならないように確認しましょう。

・講師を雇い入れる際には十分な時間をかけて慎重を期す
・生徒や保護者に定期的にアンケートや面談を行う
・生徒が教室内に一人きりにならないようにする
・生徒と講師が教室内で一対一だけにならないようにする
・教室の監視カメラの操作は厳重にする
・教室の鍵は必要か否か、取り扱いを再考する


など、見直しを図るようにしましょう。

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「親子で覚える徹底安全ガイド」

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