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米国幼女殺害 サマンサちゃんは帰らない…

先頃アメリカで発生した幼女誘拐殺害事件。その手口は日本でも見られるものでした。事件の概要と検察の見解。子供の防犯について考えます。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

アメリカ発・幼女誘拐殺害事件

2002年8月6日アメリカ、カリフォルニア州サンタ・アナで、幼女を殺したとして起訴された容疑者の男に死刑を求めることを検察が明らかにしました。男は27歳で、殺人、誘拐、子どもへの強制わいせつの容疑です。

自宅の外でお友だちと遊んでいた5歳の女の子を
「おじさんの子犬を一緒に探して」
と連れ出したものです。

栗色の髪のサマンサちゃんは、行方不明になってから3週間経った6月16日に、オルテガハイウェイで身に何もつけていないむごい姿で発見されました。

検察は子どもを誘拐した後で殺害したこと、子どもへのわいせつ行為も含むという特異な状況から死刑を求刑できるとしています。男は保釈なしで拘置され、罪状を否認しており、幼女が連れ去られたときには、自分はショッピングセンターにいたと供述しています。

「5歳のサマンサちゃんを誘拐してみだらな行為をしたあげくに殺害したこの男が死刑になることに、私にはまったく疑問の余地がない」と、オレンジ郡地方検事は言っています。

サマンサちゃんの母親は被告に死刑を求めることについては示唆していませんが、「検察の判断を信頼している」と声明を発表しました。

検察官は決定を下す前に、証拠を調べ、サマンサちゃんの家族と話し合い、容疑者の弁護士とも話し、他の検察官らからも聴取しました。死刑か仮釈放なしの終身刑かという選択の中で、この事件の残虐性と背景から、異例の早さで決断されました。

日本でも起こりうる!

アメリカのこの事件は、場所を日本に置き換えて考えても違和感がないものです。あるいは殺害にまで至らなくても、強制わいせつ行為でとどまっている同様の事件は、報道されていなくてもかなりの件数で発生しているのではないでしょうか。心の傷を抱いたまま、大人になった人も多いものと思われます。

「子犬を一緒に探して」という言葉は、日本でもよく使われることがあるようです。小動物などをおとりにして、連れ出そうという手口は、小さな子どもにとっては油断してしまいがちで、それだけに悪質きわまりないといえます。

子どもを守るのは誰?

子どもは「無防備」です。親や保護者などの大人が、子どもを守らなくてはなりません。常にそばにいることは不可能でも、色々な場面を想定してシミュレーションをしておくことで、子どもの安全度を高めることができるのです。

「一緒に子猫を探して、と知らない人に言われたらどうする?」といったように、具体的に話してきかせるようにしましょう。

「知らない人には、どんなことを言われようとついていってはいけない。すぐに家に戻ること」など、必ず「こういうときにはこうする」という約束事として、覚えさせるようにしましょう。

「自宅前で遊んでいれば安心」ということはありません。親や見守る大人の目がなければ、子どもの命はあまりにもあやういものなのです。日々、報道される事件や事故の顛末を見れば、親の目さえあったら…という悲劇の犠牲者となった子供たちが少なくないことを知ることができます。この夏も、小さな子どもたちが安全に無事に、過ごせることを願ってやみません。

男に言われるがままに「子犬を一緒に探してあげよう」と思い、連れ去られた心優しいサマンサちゃんは、もう帰ってはこないのです。

在りし日のサマンサちゃんの写真はこちらで。


※子どものときに、わいせつ被害を受けたことのある人は女性は4人に3人の割合、男性は7人に1人の割合となっています。
あなたの一票【過去の一覧】でご覧下さい。

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