防犯/子どもを犯罪から守る

「あの先生嫌い」と子どもが言ったら?塾での危険

「まさか学習塾で」とても信じられないような事件が発生しました。しかし、塾であっても危険はあるのです。そして、その危険に気づいてあげられるかどうか、は親にかかっています。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

塾での危険について言及していた!

塾通い 安心・安全 確実に
塾通い 安心・安全 確実に
(Illustration by Yukiko Saeki)
またしても痛ましい事件が発生しました。子どもを塾に通わせている親御さんにとっては、他人事ではないと、また「もうどこも安全ではないのか」と途方に暮れるような出来事でした。しかし、たとえ塾といえども、いや塾だからこその危険もあるのです。

拙著「親子で覚える徹底安全ガイド」では、塾やおけいこ事の場における危険について事例を挙げて、警戒を促しています。今回のような殺人事件に至るほどの危険ではないものの、ありがちな「性被害」について述べています。

さらに、安心して塾に通うための3つのポイントを挙げています。そのうちの一つに、「塾の先生とでも、二人きりになってはいけません」というものがあります。まさに、今回の事件で容疑者が画策した状況です。

今回のような殺人事件はきわめてまれな出来事ですが、子どもの心に傷を残すようなケースが起きていることは否定できません。実際に、塾の講師から性被害を受けたことのある子もいるのです。

子どもから見える大人

子どもは「大人の言うことをよく聞く子どもがいい子」として、小さい頃から「言うことを聞きなさい」と言われて育ちます。親は子どもに「先生の言うことをよく聞きなさい」と言います。

子どもは自分よりも大きな体の大人である先生に対して、抵抗することが難しいのです。まず目の前に立ちはだかる大人に圧倒されます。さらに、言葉で心理的に圧倒されます。小さな子であればあるほど、大人の体は大きく見えます。

そして「先生」という呼び名。これは、「自分が教えを受けている人」のことですから、大学生であっても、塾の先生である以上は「先生」なのですが考えてみれば、子どもたちとそれほど年齢の離れていない塾の“先生”などは、本来ならまだまだ自分たちも若く、その場所以外ではまだ若輩者です。それでも、「先生」と呼び、呼ばれるという現実があります。

街で見知らぬ若い男に警戒することは教えても、同じような若者である“先生”に警戒しないのでは、不十分です。むしろ、こどものほうが、「先生」というフィルターを通さないで、直感的に何かを感じていることもあるでしょう。

子どもの気持ちを理解せよ/塾であっても安全ではない p.2
「あの先生嫌い」と子どもが言ったら?/親の義務/塾のあるべき姿勢 p.3
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