ヨーロピアンオークとアメリカンオークの熟成の特長
ザ・マッカランダブルカスク12年（左）／ザ・マッカランシェリーオーク12年（右）
また、2種のシェリー樽熟成モルトにバーボン樽熟成モルトをブレンドした「ザ・マッカラン トリプルカスク」（『ザ・マッカラン トリプルカスク12年／味わい評価』記事参照）もあり、「ザ・マッカラン」の香味世界は広がっている。
いろいろと試していただきたい。
ここからはヨーロピアンオークとアメリカンオークでのシェリー樽熟成モルトの香味特長についてお話ししたい。
ヨーロピアンオークでのシェリー樽熟成／アメリカンオークに比べ、タンニンをはじめとするポリフェノールが多く含まれている。長期間の熟成を要すが、これによりモルトウイスキーに深い色調と香りが増していく。
ザ・マッカランのシェリー樽熟成モルトの特長としては、色は濃い赤褐色、香味にはダークチョコレートや糖蜜、レーズンのようなドライフルーツやマーマレード、ダークベリーといった複雑で華やかなニュアンスがある。芳醇と表現できるものである。
アメリカンオークでのシェリー樽熟成／樹の道管内部の詰まり（チローズと呼ばれる物質）具合が緻密で漏れが少なく貯蔵熟成に優れている。タンニンは少なく、熟成においてはバニリンやオークラクトンといった甘みにより、バニラ様、フルーティーといった香味を生む。
香味はヨーロピアンオークよりも軽快なタッチとなる。
ザ・マッカランのアメリカンオークでのシェリー樽熟成モルトの特長としては、色は明るい琥珀色で、香味にはバニラやはちみつ、ココナッツを想わせる甘さと柑橘系の香り、ジンジャーなどのスパイシーさがある。
それでは「ザ・マッカラン ダブルカスク12年」の香味特長。また香味比較のためにスタンダードな「ザ・マッカラン12年」の香味も紹介しておく。
The MACALLAN DOUBLE CASK 12 YEARS OLD
ザ・マッカラン ダブルカスク12年
700ml・40％・￥9,040（税別希望小売価格）
ヨーロピアンオークとアメリカンオークでの熟成モルトのブレンドにより、スタンダードなヨーロピアンオークシェリー樽熟成の「ザ・マッカラン シェリーオーク12年」の濃密なまでのラグジュアリー感とはひと味違い、芳醇でしなやかなエレガントな香味となっている。
複雑な重層感のなかに、バターやバニラカスタードの甘み、またスパイシーさやシトラス系のフルーツ感が潜んでいるのは、それぞれのシェリー樽モルトの融合を物語るものだ。
色 深い金色
香り クリーミーなバタースコッチ・アップルキャンディー・バニラカスタード
味わい 蜂蜜のような甘さにややスパイシーでシトラスのフルーツ感
余韻 甘く、長い余韻
The MACALLAN SHERRY OAK 12 YEARS OLD
ザ・マッカラン シェリーオーク12年
700ml・40%・￥9,900（税別希望小売価格）
色 優雅な金色
香り バニラにほのかなジンジャー・ドライフルーツ・シェリーの甘さ
味わい 温厚なドライフルーツとシェリー
余韻 トフィーの甘さ・ドライフルーツにウッドスモークとスパイスが感じられる
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