今回は、たくさんある11月の月の異称・和風月名を紹介します。
<目次>
11月の代表的な異称「霜月(しもつき)」の意味・由来
旧暦の11月は、現在の12月頃にあたります。霜が降りる時期なので、霜が降る月という意味の「霜降月(しもふりつき)」が略され「霜月」となりました。11月の異称「神帰月(かみきづき)」「神来月(かみきづき)」
旧暦10月(神無月)に出雲に出かけていた神々が地元帰ってくるので、「神帰月」「神来月」と呼びます。出雲に集まる神々の様子はこちらをご覧ください。
▷10月いっぱい、神様は縁結び会議に出張中
11月の異称「神楽月(かぐらづき)」
神に歌舞を奉納する「神楽」が盛んに行われる月だから。11月の異称「霜見月(しもみづき)」「霜降月(しもふりづき)」
霜が降りる月だから。11月の異称「露隠月(つゆごもりづき)」「露隠葉月(つゆごもりのはづき)」
冷え込みが厳しくなると、露は凍って霜になるので姿を消します。その様子を、露が隠れてしまったと表現しました。11月の異称「雪待月(ゆきまちづき)」「雪見月(ゆきみづき)」
雪が降る月だから。旧暦11月は、霜だけではなく雪も降る頃です。雪は豊作のしるしで縁起が良いとされたため、「雪待月」には雪を心待ちにしていた様子が表れています。11月の異称「食物月(おしものづき)」
その年の収穫を神に感謝する 新嘗祭(にいなめさい。11月23日)が行われ、食物(おしもの)に感謝する月だから。新嘗祭について詳しくはこちらをご覧ください。
▷11月23日「勤労感謝の日」の由来・起源
11月の異称「凋月(しぼむつき)」
寒くなり草花がしぼんでいく月という意味です。11月の異称「復月(ふくげつ)」「陽復(ようふく)」
旧暦では11月に冬至がきます。冬至は1年で最も日が短く、翌日から日が延びていくので、“陰が極まり陽にかえる”とされ、「一陽来復(いちようらいふく)」といいます。この一陽来復から「復月」「陽復」になりました。冬至や一陽来復について詳しくはこちらをご覧ください。
▷冬至とは? 今年はいつ? ゆず湯の由来・かぼちゃを食べる意味
11月の異称「建子月(けんしづき)」「子の月(ねのつき)」「子月(しげつ)」
古くから中国では、一定の位置にあり動かない北極星を中心に1日1回転する北斗七星に興味を示しました。そして、北斗七星のひしゃくの形の柄を表す3つの星を「斗柄(とへい)」と呼び、斗柄が夕方どの方角を指しているかをその方角の十二支に当てはめて各月の名を決めました。これを「月建(げっけん)」といいます。冬至(旧暦11月)には斗柄が真北を指し、真北は十二支の子の方角のため、建子の月と名づけました。旧暦11月は建子月・子の月・子月、旧暦12月は建丑月・丑の月・丑月、旧暦1月は建寅月・寅の月・寅月……と続きます。
※11月の二十四節気(各節気と七十二候の説明)
霜降 ~ 立冬 ~ 小雪
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