世界遺産/アジアの世界遺産

アジア東部の世界遺産(2ページ目)

長江や黄河、メコンといった大河に育まれ、長い歴史と豊かな文化を誇るアジア東部。温帯域は高山と砂漠、森林からなり、熱帯域には深いジャングルが広がる。ここでは東アジアと東南アジアの世界遺産を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

宗廟

宗廟・正殿

宗廟の正殿。太祖・李成桂をはじめ、19人の王と30人の王妃の神位(木製の位牌)が収められている

韓国、1995年、文化遺産(iv)
1392~1910年まで、500年余の歴史を誇る朝鮮王朝(李氏朝鮮)。27代の王と王妃・功臣たちの神位を祀り、氏神たちと交信する聖なる祭祀場が宗廟だ。宗廟には神位をはじめ、神香路・南神門など、神々の通路や門が用意されており、宗廟祭礼によって神々を呼び寄せ・もてなし・送り出して、国家繁栄・天下太平を祈った。そしてこの宗廟祭礼は、世界無形文化遺産にも登録されている。

紹介記事はこちら>>宗廟/韓国

 

昌徳宮

昌徳宮の大造殿

王と王妃が暮らした昌徳宮の大造殿

韓国、1997年、文化遺産(ii)(iii)(iv)
韓国に残る五大王宮のうち、もっとも長く正宮として使われた宮殿。モデルとなった紫禁城やもともとも正宮だった景福宮が、平地を城壁で囲い、門と建物を一直線に配し、人工的で威圧的な印象を残すのに対して、昌徳宮は山の地形をそのまま利用して造られており、自然と調和したやさしい造りで魅せている。日本統治時代も多くの建物が残り、朝鮮王朝時代の文化をもっともよく残す建築物として世界遺産登録された。

紹介記事はこちら>>昌徳宮/韓国

 

華城

華城行宮の正門、新豊楼

華城行宮の正門、新豊楼

韓国、1997年、文化遺産(ii)(iii)
父の無念を晴らすため、朝鮮王朝第22代国王・正祖が当時最高峰の科学技術を投入して建設した理想都市・華城。街を丸ごと囲い込む大陸的な都市構造、二重の城壁に囲まれた重厚な門楼、美しい宮殿であり堅牢な軍事施設でもあった華城行宮など、41もの施設が当時のままの姿を伝えている。

紹介記事はこちら>>水原・華城/韓国

 


アンコール

タ・プローム

苔むした寺院から突き出す木々が印象的なタ・プローム

カンボジア、1992年、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)
アンコールは、未発見のものを含めて遺跡の総数数百~千近くに及ぶという、9~15世紀に栄えたアンコール朝の巨大な遺跡群。1週間あっても見て回ることができないという規模を誇ると同時に、彫刻やレリーフの美しさも際立っており、規模と繊細さが同居する稀有な世界遺産となっている。代表的な遺跡には、12世紀前半に、30年3万人をかけて建築されたアンコールワット、巨大な観世音菩薩の顔があちらこちらに彫られている仏教遺跡アンコールトムなどがある。

紹介記事はこちら>>アンコール/カンボジア


 

プレア・ヴィヒア寺院

第四塔門の東ファサード

均整のとれた美しいたたずまいを見せる第四塔門の東ファサード

登るほどに神聖さを増す「聖なる寺院」プレア・ヴィヒア。聖域とされる本堂隣接の断崖から眺める景観は息をのむほど美しく、古代から人々を魅了し続けてきた。神の視線を感じさせるその絶景ゆえなのか、寺院や山は世界の中心にあるという須弥山と同一視され、聖地として崇められてきた。そして一直線に並ぶ5つの塔門は、アンコールほどの派手さはないものの、均整がとれたスタイルと精緻なレリーフで魅了する。アンコールに行くなら、ぜひ一緒に訪ねたい世界遺産だ。

紹介記事はこちら>>プレア・ヴィヒア寺院/カンボジア

 

古代都市アユタヤと周辺の古代都市群

仏塔ではアユタヤ最大となるワット・プラ・シー・サンペットのセイロン式仏塔。ラーマティボディ2世が1491年に建てた仏塔だが、実は家族のための墓

仏塔ではアユタヤ最大となるワット・プラ・シー・サンペットのセイロン式仏塔

タイ、1991年、文化遺産(iii)
アンコールに代わって14~18世紀に繁栄したアユタヤ朝の都市アユタヤ。もともと中国雲南省に住んでいたタイ族が築いた国家で、モンゴルの襲撃によって南下して、13世紀にスコータイ(世界遺産)、14世紀にアユタヤを建国した。最盛期には3つの宮殿、100の門、400の寺院、1万体の仏像を擁したといわれており、タイ式の僧院、セイロン・ビルマ式やクメール式のストゥーパなど、周辺諸国の様々な文化を融合させながらタイ美術の基礎を築いた。

紹介記事はこちら>>古都アユタヤ/タイ

 

万里の長城

司馬台の長城

北京中心から約120kmの位置にある司馬台の長城

中国、1987年、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)(vi)
秦の時代からはじまり、約2,000年間も増改築が繰り返された万里の長城。諸民族や南部で造られたものも合わせると、歴代総延長は50,000kmに及ぶともいわれる。中国北部に広がる万里の長城は、2009年4月の中国国家文物局の発表で、これまでの総延長6,352kmを改め8,851.8kmと発表した。同じ長城でも、巨大な花崗岩を美しく積み上げたものもあれば、レンガを並べたもの、土を盛っただけのものもあり、土地に合わせて様々な姿を見せる。

紹介記事はこちら>>万里の長城/中国

 

北京と瀋陽の明・清朝の皇宮群

紫禁城

故宮博物院として開放されている紫禁城 ©牧哲雄

中国、1987年、2004年拡大、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)
天の中心、北極星=紫微垣(しびえん)には天帝が暮らす紫微宮があり、地の中心には皇帝が世界を治めるための紫禁城がある。14世紀後半から20世紀にかけて明・清の宮殿として使われていたのが北京の紫禁城だ。紫禁城は東西753m、南北961mの大きさを誇り、世界最大の宮殿と伝わっている。皇帝は天安門を入ってすぐの外朝で人々と接見し、その奥の内廷で生活をした。

紹介記事はこちら>>北京と瀋陽の明・清朝皇宮群/中国



 

青城山と都江堰灌漑施設/中国

都江堰

都江堰。右に見える出っ張りが魚嘴で、岷江の流れを二分割した

中国、2000年、文化遺産(ii)(iv)(vi)
紀元前250年頃、洪水と干ばつに苦しんでいた秦国・蜀の地に大水利施設・都江堰が築かれた。これによって蜀は「天府の国」と呼ばれる大穀倉地帯に変貌を遂げ、始皇帝の天下統一に大いに貢献。そして2300年を経た現在でも都江堰は見事にその機能を果たしている。一方、青城山は五斗米道の始祖・張陵が切り拓いた道教の整地。現在でも数多くの道士が厳しい修行に励んでいる。

紹介記事はこちら>>青城山と都江堰灌漑施設/中国

 

九寨溝の渓谷の景観と歴史地域

火花海の湖畔風景

火花海。九寨溝では色も形も毎瞬毎瞬その姿を変える

中国、1992年、自然遺産(vii)
太陽や雲から作った鏡を女神が落としてしまい、破片は108に砕けて湖になった――あまりに美しいその色彩から、九寨溝はこんな伝説さえ生み出した。九寨溝には100を超える湖があり、湖は空色から紺、藍、コバルトブルー、エメラルドグリーン、深緑と色とりどりで、これが新緑や紅葉や花々、太陽の角度や雲、魚や藻などの影響で万華鏡のように姿を変える。その名はチベット人が暮らす9つの村(寨)があった渓谷(溝)に由来する。

紹介記事はこちら>>九寨溝/中国

 
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