最近では第三波の兆しが見られるなど、まだまだ新型コロナウイルスの脅威が私たちの生活に大きな影を落としています。そんな状況下、2020年の下半期にはどのような商品やサービスがヒットしたのでしょうか? 米国ビジネススクールでマーケティング理論を学び、経営コンサルティング企業の代表を務める安部徹也がランキング形式でお届けしていきます。
第10位:フードデリバリー、テイクアウト
Uber Eats(image:Rodrigo Reyes Marin / Shutterstock.com)
月間アクティブユーザー数を比較すると、最大手のUber Eatsは4月の92万人から8月には113万人へ、出前館は4月には46万人だったものが8月には103万人と実に倍以上の伸びを記録しています。緊急事態宣言下の5月にはウーバーイーツは月間アクティブユーザーが150万人を超えていることから状況次第では今後も更なる成長が期待できるでしょう。
また、同じ理由でテイクアウトも大きく売り上げを伸ばした1年でした。特に最近ではキャッシュレスサービスと連携したテイクアウトに力を入れる企業が目立ちます。「マクドナルド」は、自社アプリから注文し、店舗で受け取れるモバイルオーダーを2020年から本格展開。10月から11月にかけて、「PayPay」と連携して最大30%が戻ってくるキャンペーンを展開して話題となりました。
また、「すき家」は「d払い」と連携して、d払いアプリから予約注文し、決済を行えばdポイントとして30%還元されるキャンペーンを11月に実施。このように、今後もキャッシュレス決済サービスと連携して自社のテイクアウトの推進を図る流れは加速していくでしょう。
第9位:檸檬堂
「檸檬堂」左から、鬼レモン(レモン果汁17%、アルコール度数9%)、塩レモン(レモン果汁7%、アルコール度数7%)、定番レモン(レモン果汁10%、アルコール度数5%)、はちみつレモン(レモン果汁7%、アルコール度数3%)
缶チューハイ市場はアルコール飲料市場の中でも成長が著しいマーケットですが、それゆえにサントリーやキリン、アサヒなど既存大手企業が新商品を次々に投入し、競争の激しいマーケットでもあります。
その中で日本コカ・コーラ社は敢えてレモンサワーに絞って新商品を投入。アルコール度数の違う3%(はちみつレモン)、5%(定番レモン)、7%(塩レモン)、9%(鬼レモン)の4商品でアルコールにあまり強くない層から強い層までをカバーするマーケティング戦略に打って出ます。この商品に対する強いこだわりと複数の顧客層へのアプローチが成功を収め、後発ながら“ちょっと価格が高くてもおいしいレモンサワー”というポジションを確立。2020年12月28日からは9%のカミソリレモンを新たに市場に投入し、さらなるヒットを目指しています。
第8位:ディズニーランドの新エリア
ファンタジーランドを拡張した「美女と野獣エリア」(c) Disney
新エリアでは、ニューファンタジーランドとして高さ30mの『美女と野獣の城』でアトラクションが楽しめる「美女と野獣エリア」、トゥモローランドには新アトラクションの「ベイマックスのハッピーライド」、そしてトゥーンタウンではミニーマウスとグリーティングができる「ミニーのスタイルスタジオ」などがオープンしています。
各施設やアトラクションはコロナ対策のため現在は抽選(エントリー受付)や事前予約が必要になりますが、コロナが収束すれば多くの来園者で賑わうことは間違いないでしょう。
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