トイレの神様と言い伝え

トイレをきれいにすると金持ちになる、美人になる、美しい子が生まれるなどと聞いたことはありませんか? 昔からトイレには神様がいる、トイレをきれいに掃除すると運気があがる、といわれているのはなぜでしょう? トイレ掃除に力を入れる会社や有名人がいたり、トイレの神様が歌になったり。こうした謎を解明します。
 
トイレ掃除をすると運気があがる、美人になる、美しい子が生れると言われるのはなぜ?

トイレ掃除をすると運気があがる、美人になる、美しい子が生れると言われるのはなぜ?


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トイレにはトイレの神様がいるの?

昔から、トイレには神様がいると考えられてきました。烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)という、火の神、厠の神(便所の神=トイレの神)です。
 
烏枢沙摩明王は、烈火で不浄を浄化し清浄と化す力をもつとされ、心の浄化のみならず、日常のあらゆる不浄を焼き払い清める功徳があるとされています。そのため便所に祀られることが多く、厠の神(便所の神様=トイレの神様)として人々の暮らしを守ってきました。
 

厠(かわや)と神のつながり

厠(かわや)のほかにも、便所にはいろいろな別称があります

厠(かわや)のほかにも、便所にはいろいろな別称があります

厠(かわや)は便所の別名です。厠という名は奈良時代からみられ、『古事記』に水の流れる溝の上に設けられていたと記載されています。厠の語源には諸説ありますが、川の上やほとりに設けられた「川屋」だという説が有力です。
 
昔は川の上などに天然の水洗便所を作っていたため、人間の排泄物は川に流され、海へ向かいました。海はあらゆる生命のふるさと、聖なる場所であり、他界であると考えられていました。したがって、厠(便所、トイレ)は人間の体内にあったものの一部を海上他界へと運ぶ通路。現世と他界の境にあり、厠の神がいると信じられたのです。
 
トイレに花を生ける習慣があるのも、厠の神を祀るところから生じたといわれています。昔は便所に神棚を設けたり、花や酒を供えたりしていました。
 

トイレを掃除すると運気や金運があがるのはなぜ?

便器のふたを閉め、換気をよくすると運気上昇につながるそう。花を飾るのも厠の神を祀っていたことに関係しています

便器のふたを閉め、換気をよくすると運気上昇につながるそう。花を飾るのも厠の神を祀っていたことに関係しています

厠の神(便所の神=トイレの神)は火の神でもあるため、その烈火で不浄を浄化し清浄と化す力をもち、不浄除け、運気や金運上昇のご利益があるとされています。ですから、トイレをきれいに掃除すると、厠の神がたくさんの功徳を授けてくださると考えられるようになりました。
 
また、トイレ掃除は心の掃除にもつながっています。人が嫌がるトイレ掃除を進んですると、心も浄化され清らかな気が流れるので、トイレをきれいにするほど運気が上がり、金運も上昇するというわけです。

また、便器のふたは閉めておき、窓を開けたり換気扇をまわして換気をよくしておくとさらに良いといわれています。
 

なぜ、トイレをきれいに掃除すると美人になる、美しい子が生まれる?

トイレときれいに掃除するとぺっぴんさん(美人)になると言うのはなぜ?

トイレをきれいに掃除するとぺっぴんさん(美人)になると言うのはなぜ?

厠の神は女性の守護神でもあり、お産とも関係が深いとされています。これは、中国の美しい厠の女神の伝説や、排便の様子とお産の様子との結びつきからきていると考えられています。また、厠の神には母胎にいる赤ちゃんを男の子にさせる力があるとされたため、男の子を求める戦国武将に広く信仰されました。
 
こうしたことから、厠の神を祀ると女性の願いが叶うとされ、トイレをきれいに掃除すると美人になる、妊婦がトイレをきれいに掃除すると美しい子が生まれるといわれるようになりました。
 
地域によっては、臨月になると安産を願って便所をお参りしたり、子どもが生まれたら儀礼として便所参りをして健康を祈願する習わしもあります。

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