トイレは洋式トイレですか? ……何か、臭いませんか?

当たり前に使っている洋式トイレ、しかし掃除がしにくいという側面も

当たり前に使っている洋式トイレ、しかし掃除がしにくいという側面も

すっかり私たちの生活に定着した「洋式トイレ」。住宅・都市整備公団(現・UR都市機構)が採用したことから昭和30年代より全国に普及し、今では洋式トイレではないトイレを見かけるほうが難しくさえなりました。

大小男女兼用で省スペース、足腰に負担が少なく子どもにもお年寄りにも妊婦さんにも安全、などなどメリットの多い洋式トイレですが、一点だけ問題があるとすればそれは「掃除の難しさ」! いえ、日常的な掃除やお手入れのレベルならば、よいのです。和式や男性専用便器に比べ、足元や床の汚れ具合の少ないことはまったく特筆すべきこと。

しかし、洋式トイレはとかく複雑な形状をしています。構造的に掃除の盲点が多いのです。そのため、ちゃんと掃除をしているのにも関わらず、夏場や換気を滞らせたときなど、しつこい悪臭に見舞われることが……。便器の中がいくらピカピカに磨かれていても、「どこからともなく」それは、臭うのです。


臭いの大本は「便器のふち裏」にアリ! そして……!?

ライオン株式会社ハウスホールド第2研究所が2004年の日本家政学会第56回大会研究発表会で発表したデータは、トイレ掃除的にたいへん興味深いものでした。そこでは、

■洋式トイレの臭いの原因かつ、最も落としにくいポイント=便器の「ふち裏汚れ」

■便器の「ふち裏汚れ」ができやすい家庭の条件=
1:洋式トイレで男性が立った姿勢で小用を行い、とくに水たまりの“手前”や“奥”を狙っている
2:温水便座を使用
3:便座カバーを使用
4:常時便器のふたを閉めている

と報告されています。【1】の男性の小用姿勢に関しては、筆者は女性ゆえ全く予想の範疇外なのですが、【2】温水便座を使用……以下の項目にはそれなりに思い当たるフシがあります。特に、【3】、【4】など、むしろ省エネや結露防止を考え「良かれと思って」行ってきたという方も多いのではないでしょうか?

便器における汚れの主原因は「尿石」(リン酸カルシウムなどの無機汚れと酸性タンパク質などの有機汚れが強固に結合したもの)といったもので、これは、飛散した「尿」「菌(黄色ブドウ球菌や大腸菌)」によって生成し、一度付着すると落としづらくなってしまう強固な汚れだといわれています。

またここで「菌」が繁殖しやすい環境は、温度35~40℃、湿度80%以上といわれ、まさに温水使用(便座自体の温度を上昇させる)かつ便座カバー使用(巻き込みがふち裏部分を防寒してしまう)かつ便器のふたを閉めた状態(湿度100%を保ってしまう)環境下では菌が増殖、「ふち裏汚れ」が加速してしまうというわけです。


その他、トイレの汚れが溜まるポイントは床と壁!

トイレ掃除
トイレは意外なところにも汚れがつくことも…
さて、確かに毎日、尿が飛び散る便器の水溜りや、その直上である「便器のふち裏」に汚れが溜まることは容易に理解できると思います。が、洋式トイレの盲点は、実際には「尿」や「便」が飛ぶとも思われない、意外な場所にも及ぶということを、忘れないようにしてください。

具体的には、まず
1:床
2:壁

といった便器周辺環境部分です。【1】床(特に便器の根元部分)には、便器周縁から垂れた尿や便がこびりついていることが多く、勇気を持って鼻を近づけてみるとかなり臭うことが分かると思います(気が進まなくても一度試してみて)。

また、便器を取り囲む 【2】のトイレ壁面にも、予想以上に尿や便は飛散しています。できれば、床掃除と壁掃除は、「大掃除」扱いではなく、最低週に1回のルーティンワークとして組み入れてもらいたいお掃除ポイントです。

加えて、汚れが溜まり臭いの原因となるのは、
3:便器のフタの付け根
4:便座の付け根
5:便器の真裏、配管部分

になりますが、この部分を既に定期的に掃除をしている! と言われる方、はげしく尊敬いたします。

そう、ここの部分は「便器のフタ」「便座」をそれぞれ「外して」掃除しないと、竹串を差し込もうが古歯ブラシを持ってこようが完璧な掃除はムリ! なのです。

ただし、ある程度深追いして掃除をすることはできます(温水、暖房便座は複雑な構造をしているので、完璧に掃除をする際には業者の方に委託したほうが無難)。


実践的トイレ大掃除の手法とは!?

さて、ここからが実践です。

◎1回20分×3セットで進めましょう!

【第1セット】便器の真裏、配管、便座・便器の付け根を掃除
準備:廃棄できる「手拭い」を用意(ループのあるタオルよりも平坦な手拭いのほうがクズが出ず、オススメ)。使い捨てお掃除シートでもいいですが、ある程度の長さがあったほうが便利。

手順1:手拭いを薄めた中性洗剤もしくは、石鹸液(軽くあわ立つ程度)に浸し、よく絞ります。

手順2:まずは便器の裏に布を回して、便器の形に添いながら上から下にキュッキュッと磨きながら下ろします。

手順3:便器外周をくまなく拭きあげ、便器の付け根部分も、布の端を差し込みながらすき間を拭います。

手順4:厚みを調節しながら、布を温水便座設置部分の付け根に差込み、布の端を持って左右に動かします。

手順5:適宜、布が汚れたら洗剤液で洗います。

手順6:便器のフタの付け根部分にも、布の厚さを調整しながら差込み、布の端を持って左右に動かします。

手順7:水タンク脇のパイプや露出した配管部分は、軽く濡らした布にクレンザーをつけて拭き、乾拭きします。

手順8:しつこいサビはステンレスやメッキ磨き専用の「サビ落としクリーム」で磨いておきましょう(ホームセンター等で購入できます)。


【第2セット】便器の「ふちの裏」を重点的に掃除
準備:できれば素手、ムリであればできるだけ薄めのプラスチック手袋をはめるようにします(細部に及ぶので)。1000~1500番台の耐水サンドペーパー、手拭い、石鹸液、メラミンスポンジを用意します(場合によっては便器に傷をつけることがあるので、いきなり掃除にかからず、前もって目立たないところでそれぞれの道具で傷ができるか否かをチェックしてください)。

手順1:ざっと便器内を掃除し、水溜り部分に黒ずんだ輪じみができていたら、サンドペーパーでかるくこすりながら落とします(ここで力加減をまず確認)。

手順2:サンドペーパーを便器のふち裏に当て、小さく円を描くよう意識しながら一周こすり上げます。

手順3:時々、当てる面を変えること。

手順4:一周したらメラミンスポンジに水を含ませ、磨いた面を拭き取るようにぬぐいます。

手順5:便器のふちの上、便座の裏など、周囲を先般の石鹸液と手拭いで拭き上げて仕上げます。


【第3セット】トイレ全体の床と壁、換気扇、窓などを拭き掃除

準備:手拭い、消毒用アルコール(スプレー)、石鹸液、クエン酸液、掃除機を用意します。

※消毒用アルコールを散布する際には、充分火気に注意してください。また、うっかり多量に散布すると息苦しくなり、酒に酔ったような状態になるおそれがあります。お子さんなどが近づかないように注意してください。

手順1:換気扇を取り外します。構造によって取り外しがきかない場合は、掃除機で念入りにホコリを吸い取ります。換気扇カバー部分なども、石鹸液に浸した手拭いの端などを差込み、念入りに拭きます。

手順2:窓がある場合は、窓周りも石鹸液でよく拭きます。トイレの窓は結露しやすいため、窓枠周囲のカビに注意しましょう。既にカビがある場合は、窓枠材や壁材によってアルコールにより事前にしみができないか確認した上で、消毒用アルコールを少量吹き付けた布でゆっくり拭き取ります。

手順3:壁部分は、壁材によって、アルコールにより事前にしみができないか確認した上で、消毒用アルコールを少量ずつ吹き付けながら、壁部分を上から下に向かって手拭いで拭きます(蒸発するので二度ぶきの必要はありません)。アルコールが使えない場合は、適宜石鹸液やクエン酸液を布に浸し、拭きます(アルコールは除菌を兼ねられて一石二鳥のメリットがあります)。

手順4:壁と同様に、床もテストした上で拭き上げます。コツは、奥から手前へ。トイレ室の四隅など、ふだん手が届きづらい部分にも執念深く取り組むことです。

手順5:トイレ床は、前もって掃除機をかけておくとホコリ汚れが減ってラクになります。


トイレ掃除以後の美トイレ維持法とは……?

ピカピカなトイレ
トイレ掃除は最低でも週1回はしたいものですね
さて、せっかくお掃除した美トイレ、維持したいもの。具体的にどうすればいいか、挙げておきましょう。

■温水・暖房便座ならば、便座カバーは外しましょう!(ふち裏菌繁殖防止のため)

■夜間は結露防止のためフタを閉めていても、昼間はできるだけフタを上げて置くようにしましょう

■男性の家族に、尿をできるだけ飛ばさないような工夫を求めましょう! そして狙いは「水溜り」(中央)。

■基本的なトイレ掃除は最低週1回行いましょう(その際、できれば床、壁を拭く作業も)。

また、今回はボリューム上スルーしましたが、「手洗い」「ペーパーホルダー」「水タンク中」等のお掃除もできればやっておきたいものです。 

かく、トイレ掃除とは狭い空間ながら奥深いものであります!!!


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