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アメリカンプルーフとブリティッシュプルーフの違い

今回は、プルーフについて。アルコール分の表示でバーボンウイスキーのラベルにProof(プルーフ)とある。またイギリスのジンにはオーバープルーフと謳ったものもある。酒類の定義は国によって違いがあるが、アルコール分の表示方法も国によって異なったりもする。まずはアメリカンプルーフとブリティッシュプルーフの違い。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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アメリカンプルーフは日本のアルコール分の2倍

 
ノブクリーク

ノブクリーク

バーボンウイスキーのラベルにProofとの表記があったり、クラフトジン「シップスミスV.J.O.P.」がVery Junipery Over Proofの略だったり、酒類においてプルーフというワードを目にしたり耳にしたりすることが多い。では、プルーフとはいったいなんだろう。
アルコール分の表示法は国によって異なる場合がある。日本やEUをはじめとした多くの国々では“容量パーセント方式”を採用している。
これは原容量100分中のエチルアルコールの容量を示す。簡単に説明すると、摂氏15℃を基準に、容量100ml中に何mlのエチルアルコールが含まれているか。5ml含まれていれば5%ということになり、これをアルコール分5度とする。43ml含まれていれば43%ということになる。
また“重量パーセント方式”というものもある。これは100gの液体に含まれるエチルアルコールの重量ということになる。
そしてアメリカではプルーフで表している。アメリカンプルーフはわかりやすい。華氏60℃(摂氏15.6℃)の純水を0プルーフ。容量において100%の純エチルアルコールを200プルーフとして規定している。
つまりアメリカンプルーフは日本のパーセント方式の2倍ということになる。86プルーフのバーボンウイスキーの場合は43%である。クラフトバーボンの「ノブクリーク」はラベルに100プルーフと表示されている。これは日本では50%ということになる。
 

イギリスの100プルーフは57.1%

 
シップスミスV.J.O.P.

シップスミスV.J.O.P.

さて、イギリスの場合。1980年に“容量パーセント方式”に切り替えられるまで、ブリティッシュプルーフ(UKプルーフ/輸出用は別)が使われていた。これは華氏51℃(摂氏10.56℃)において容量率57.1%のエチルアルコール含有液を100プルーフとしたものである。こう述べると、なんだ、なんだ、である。とんでもなく、ややこしい数字となる。
計算は複雑になり、100%の純エチルアルコールは175プルーフに落ち着くことになり、アタマが痛くなってくるはずだ。でも、日本の容量率にする場合は、たとえば70プルーフならば70×0.571=39.97との単純な計算式でよい。この場合、日本では40%と解釈すればいい。
とはいえ、現在でも100プルーフ、つまり57%を謳ったジンが存在する。また100プルーフをネイビーストレングス、100プルーフ以上をオーバープルーフと言う。
次回は何故、57%が100プルーフになったのか。またネイビーストレングスといったワードや、オーバープルーフについて「シップスミスV.J.O.P.」の製品名の意味も含めて解説したい。
(『オーバープルーフ、ネイビーストレングスとは何だろう』の記事はこちら
 

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