カナダの至宝、100%ライウイスキー
アルバータ プレミアム
さて、今回はカナディアンライウイスキーの名門、アルバータ蒸溜所の誇る100%ライウイスキー(シングルライウイスキー)「アルバータ プレミアム」をご紹介しよう。カナダでは1958年発売からメジャーブランドとして君臨しているが、日本にはこの5月17日(火)に新登場となる。
アルバータ蒸溜所は北米で最大規模のライウイスキー蒸溜所である。第2次世界大戦終結の翌年、1946年に創業。70年にわたりライウイスキー製造一筋に歩んできた。それは古典ともいえるライウイスキーの現代的洗練の創造の歩みでもあった。
現在、カナダで唯一、穀類原料にライ麦を100%使用したシングルライウイスキー「アルバータ プレミアム」は、“カナダの至宝”とまで称賛されるほど評価が高い。
これはウイスキーガイドブックの世界的権威、ジム・マーレイ氏の『ウイスキーバイブル』2012年版において、「アルバータ プレミアム」を“A National Treasure”(国の至宝)と賞賛したことに由来する。本書おいて2006年から4年連続でカナディアンウイスキー・オブ・ザ・イヤーを獲得してもいる。その他にも長年にわたり数多くの酒類コンテストで栄誉に輝きつづけている。
また自社ブランド製造にとどまらず、多くのメーカーに原酒を供給していることでも、北米においてライウイスキー製造の権威として一目置かれている。
©Satos
蒸溜所を創設したのは、石油・天然ガス事業で成功した実業家、新聞社社主、そしてビール会社を興したドイツ系移民の子孫で自ら蒸溜所を経営していたふたりの兄弟という4人のカルガリー男たちだった。彼らは愛する故郷が誇る自然風土の恵みから、故郷が誇れるウイスキーをつくろうとしたのだった。
アルバータ州はカナダのひとつの州とはいえ、面積は日本の国土の約1.75倍と広大だ。カナダ全州の中でも年間晴天日が最多。安定した気候のもとでライ麦、小麦、菜種栽培、平原で飼育されるアルバータ牛など名産も多い。
州都はエドモントンだが、州内最大都市でカナダを代表する商業都市でもあるカルガリーは自然が豊かで風光明媚な地。カナディアンロッキーをベースにしたマウンテンリゾートに代表される観光地として世界的に名高い。そしてウイスキーづくりに適した地でもある。
清冽なグレイシャル・ウォーターと高品質なライ麦
まず蒸溜所の職人たちがグレイシャル・ウォーター(glacial water/氷河の水)と呼ぶ、ロッキー山脈の氷河から溶け出した清冽なまでもの水を仕込みに使用している。加えてアルバータ産ライ麦は世界でも最良品質と謳われる。ライ麦生産量でいえばドイツ、ロシア、ポーランドが圧倒的だが、日本の多くのパン職人たちがアルバータ産ライ麦を使用していることでも品質の高さを物語っている。
創業以来、地元ライ麦生産者とアルバータ蒸溜所は強い絆で結ばれてきた。でんぷん含有量や窒素濃度などを吟味し、厳選された高品質のライ麦のみが蒸溜所へ運ばれる。自分たちの土地の良質な原料を用いて地元色に染まったウイスキーを生み出そうとした4人の創業者の情熱は、70年を経たいまも大切に受け継がれている。
ロッキーの山々を仰ぐ高原の爽やかな風がそよぐ中、ウイスキーは静かにじっくりと熟成していく。
では次ページで「アルバータ プレミアム」の香味特長についてお伝えする。(次ページへつづく)