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バルヴェニー蒸溜所/古典ともいえるモルトづくり(2ページ目)

前回記事で紹介したグレンフィディックの姉妹ディスティラーがバルヴェニー。両蒸溜所とも同じ敷地内にありながら、生まれるモルトウイスキーの香味は大きく異なる。今回はバルヴェニーの製法について紹介しよう。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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蒸溜器は独自のバルヴェニーボール型

バルヴェニーボール型蒸溜器

バルヴェニーボール型蒸溜器

糖化・発酵の工程はグレンフィディックと似通っているが、蒸溜のポットスチルの形状はバルヴェニー独自のものだ。
ポットスチルは初溜器5基、再溜器6基。やや大きめのポットスチルで、すべてバルヴェニーボール型と呼ばれる長いネックに球根状に膨らんだ瘤(こぶ)のあるユニークな形をしている。創業時と変わらない形状であり、グレンフィディックが直火蒸溜に対して、こちらは間接蒸溜により穏やかにじっくりと蒸溜することで、豊かな香味成分を抱いた重厚なニューメイクを抽出する。
これが、複雑で、フルーティーさやはちみつのような独特の味わいを生み出す要因のひとつになっている。
貯蔵熟成樽の主体はバーボン樽。そしてシェリー樽、さらにはポートワイン樽、カリビアンラムの樽での貯蔵熟成もおこなっている。


鍛冶職人、樽職人の高度なスキル

銅細工職人

銅細工職人

創業時から銅細工専門の鍛冶職人を擁し、ポットスチルの管理、修繕に万全の体制を整えている。50年以上携わっている職人もいる。
貯蔵においても労働集約型の伝統を守り抜いている。製樽もおこなう稀少な蒸溜所である。樽職人は自前。代々受け継がれてきた技を修得した専属職人たちが、次世代につなぐ仕事をつづけている。父親の代から仕事を受け継いでいる樽職人もいるほどだ。
職人たちはバルヴェニー蒸溜所の誇りであり、彼らは、酒質が不変であるために当然の姿だと言い切る。
樽職人

樽職人

では、次回記事はグレンフィディックとバルヴェニーの製品(シングルモルトウイスキー)を紹介しよう。冒頭でも述べたように同じ敷地内でありながら“春のグレンフィディック、秋のバルヴェニー”とたとえられるほど、大きく香味は異なる。ふたつの蒸溜所が生み出す製品を飲み比べるだけでも、ウイスキーの奥深さの一端を知ることができる。

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