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取引先で一目置かれる!手土産の粋なひと工夫(2ページ目)

ビジネスとプライベートでは手土産の選び方も違います。オフィスには個別包装のものが良いと言われていますが、ほかのものでもちょっとした気配りで高評価になります。気の利いたひと工夫で、一目置かれる存在になりましょう。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

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個別包装されていないタイプ

お菓子

食べ物を直に置くわけにはいかないので、何か必要になります

比較的規模が小さく、アットホームな雰囲気なら、個別包装されていないお菓子でも、配るのにさほど負担になりません。

ただ、机の上に直に置くわけにはいかないので、お皿などが必要になります。職場にたくさんお皿があるわけではありませんし、あったとしても洗う手間が生じるので、メモ用紙やコピー用紙を切ったものにのせて配る場合も多いようです。

そこでおすすめなのが、手土産に懐紙をつけて差し上げることです。懐紙とは、着物の懐に入れて持ち歩いていた小ぶりの和紙で、手を拭く、汚れをとる、メモをする、敷き紙にする、包むなど、さまざまな用途に使われてきました。食事のときに持参するものとしても有名ですが、茶道ではお菓子を懐紙に取り分けて食べます。この手法を応用し、オフィスでも菓子皿として使っていただきましょう。

懐紙なら、メモ用紙で間に合わせるよりずっと上品。「これどうしたの?」「Aさんが手土産と一緒にくださいました」といった会話も生まれるかもしれません。その場で食べない人は、懐紙に包んで持ち帰ることもできます。懐紙は1束30枚入りで200円程度。懐紙をつけて差し上げるだけで、“気の利いた人”という印象になります。

茶道では懐紙に菓子をのせ、菓子楊枝でいただきます

茶道では懐紙に菓子をのせ、菓子楊枝でいただきます。これを手土産に応用すると、差し上げる方も食べる方も風雅に。


切り分けるタイプ

切り分けないといけないバームクーヘンやロールケーキは、比較的規模が小さく、アットホームな雰囲気のところに向いています。取り皿が必要なので、前述したように懐紙をつけて差し上げると良いでしょう。

さらに黒文字(クロモジの枝でできた菓子楊枝)や菓子楊枝などを付けて差し上げると、準備や片付けの手間がかからず、心配りの行き届いた方になります。

懐紙や黒文字などの菓子楊枝は、和の雑貨を扱う店で手に入りますが、和菓子店で売っている場合もあるので、お店の方に聞いてみてください。また、懐紙ではなく紙ナプキンを添える方法もあります。


職場ならではの気遣いを

手土産というと、商品そのものに目がいきがちですが、「配るときのこと」を考えて差し上げると、一目置かれると思います。たとえ職場に向かないスイカでも、冷えたカットスイカをすぐに食べられる時間帯に差し上げれば、冷蔵庫も切り分ける手間も要りませんから、その気遣いに感激するはず。たまにはそんなサプライズも織り交ぜながら、手土産をビジネスシーンに活かしてみてください。

また、先方と競合する品物は避ける、先方の周辺地域で購入しない、賞味期限や保存方法に配慮するなど、基本的なことも忘れずに。


※ホームパーティーの場合はこちら
■ホームパーティーの手土産マナー、こんな時どうする?

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