日本人なら、響だろう
響JAPANESE HARMONY
ここからはウイスキーとともに筍や蕗を味わう日が来るのをひたすら待つ。ウイスキーは「響17」年である。それしか考えられない。
親しい人たちには「日本人なら響だろう」と言いつづけてきた。響シリーズは世界に誇れるジャパニーズウイスキーである。しかも料理との相性も際立っている。とくに和食は、日本が生んだこのブレンデッドの傑作とともに楽しまないと駄目だ。繊細な日本人の舌に合うウイスキーをつくりつづけてきたなかでたどりついた結晶であり、和食が世界的に愛されているのと同様、響シリーズもまた世界が認めた、日本を代表する高品質な香味である。
ジャパニーズブレンデッドのフラッグシップといえる「響17年」はサントリー創業90周年を記念する1989年に誕生した。
その2年ほど前、当時のマスターブレンダー佐治敬三氏が“サントリーの技術と品質の粋を結集したブレンデッドウイスキー”の開発を決意する。命を受けた当時のチーフブレンダー稲富孝一氏は長期熟成の最良のモルト原酒のみを選び抜く。そして30種以上の長熟モルトウイスキーと数種の長熟グレーンウイスキーをブレンドして、日本のハーモニーを生み出した。
以来、「響21年」「響30年」などが誕生し、世界的な酒類コンテストで数々の栄誉に輝きつづけてきた。それは輿水精一氏、福輿伸二氏とつづくチーフブレンダーが創業者鳥井信治郎から築き上げてきた品質と香味を守り抜き、さらに豊かなものに磨き上げつづけてきた賜物である。
今年の春は響ジャパニーズハーモニーだ
3月10日、その響シリーズに新しい貌が登場する。製品名は「響JAPANESE HARMONY」で、ノンエイジである。構成原酒は「響17年」と変わらぬ布陣で、響らしさをしっかりと抱いている。
ジャパニーズハーモニーという名のこの響には、おそらく20年を超えるような長熟モルトもあれば、10年に満たない若々しく勢いのあるグレーンウイスキーも含まれているであろう。過去の記事で何度も述べてきたが、長熟モルトに若々しい高品質のグレーンをブレンドすると、煌めくような伸びのいいウイスキーとなる。長熟モルトが輝くのだ。これがエイジングの足かせのない良さでもある。
山崎蒸溜所、白州蒸溜所の数十種の多彩なモルトが使われており、ホワイトオーク樽、シェリー樽、ミズナラ樽での熟成モルトはもちろん、力強くドライなスモーキーモルトも含まれている。そして穀物様の香り立ち豊かなピュアでクリーンな知多蒸溜所のグレーンがモルトを煌めかせる。すべては日本の風土が生んだ香味、ジャパニーズハーモニーである。
日本のウイスキーならではのエステリーな華やかで甘く麗しい香り、煌めくようなしなやかでやさしい味わいは、日本の四季の味わいをより高めてくれるだろう。
3月10日発売というのは、手はじめに今年の日本の春をここちよくしようと登場してくれたような気がする。だからこの響の新しいジャパニーズハーモニーで筍や蕗を味わってみようと思う。香味には春霞のような温もりのある優しさがあり、また青葉が光輝くような冴えた感覚も持ち合わせている。
もちろん季節の味覚は問わない。ストレート、ロック、ハイボール、水割りと飲み方も問わないだろう。でもね、ハイボールで春の恵みの味わいを楽しんでみたい。さあ、皆さんも、どうぞ。
響JAPANESE HARMONY
700ml/43%/¥4,000(税別)
色 琥珀色
香り ローズ・ライチ・ほのかなローズマリー・熟成した樽香・白檀
味わい ハチミツの透明感のある甘さ・オレンジピールチョコレート
フィニッシュ 繊細でやさしく穏やかにつづく余韻・ほのかにミズナラ
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