歴史文化が今も息づく清朝の夏の離宮~頤和園~
万寿山から昆明湖を見下ろした景色。壮大なスケールに圧巻!
幻想的な夕暮れの頤和園。それぞれの季節や時間帯で違った美しさを体験できる
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■頤和園
住所:海淀区頤和園
TEL:010-6288-1144
入場&料金:4~10月 6:30~18:00(観光スポットは8:30~17:00)、30元(フリーパス60元)/11~3月 7:00~17:00(観光スポットは9:00~16:00)、20元(フリーパス50元)
※本ページで紹介する定番コースはメインスポットを網羅しているので、チケットはフリーパスを買うのがお得。ちなみに各観光スポットのチケットは、文昌院20元、仏香閣エリア10元、蘇州街10元、徳和園5元
アクセス:地下鉄4号線「北宮門」駅から新建宮門まで徒歩30分、東宮門まで徒歩15分、北宮門まで徒歩1分。一般的には正門の東宮門から入園して、北宮門から出る
※地下鉄4号線「西苑」駅から新建宮門や東宮門まで歩けるが、「北宮門」駅からよりもやや遠い
頤和園とは?
万寿山とその前に広がる昆明湖。人工のものとは思えない大きさ
万寿山からのビュー。天気のよい日は湖の遥か彼方まで見渡せる。
頤和園は中国最後の王朝清の皇帝たちが離宮として長期滞在した場所です。そのため、園内は遊覧施設だけでなく、政治を行った政務区や普段暮らした生活区などの宮殿、信仰のための宗教施設が点在しています。
庭園の総面積は約290万平方メートル、東京ドームに例えるなら約62個分。その4分の3は昆明湖なのですが、この湖はなんと人の手で掘った人工のもので、その北側に聳える標高60メートルの万寿山は、湖の掘り土で造ったというのですから、あまりの壮大なスケールに驚かされます。
暑い氷で覆われる冬の昆明湖は、2022年の北京冬季五輪に向けてウインタースポーツを盛り上げようと、2014年より市民のスケート場として開放されています。毎年1月初旬から2月初旬までで、時間は8:30~16:30まで。スケートリンク自体は無料ですが、ソリなどをレンタルするには料金がかかります。
頤和園の歴史
万寿山の北側にある景福閣。修繕されないままの貴重な建物
人気のない建物の向こうから、いにしえの貴人がふと現れそうな雰囲気
その後、清朝の国力衰退に伴い、清イー園は次第に荒廃していきます。それに追い打ちをかけるよう、咸豊10年(1860年)、第二次アヘン戦争で英仏連合軍によって破壊されてしまいました。
智慧海壁面の仏像。文革期に顔が破壊されたものもあったが、今は修復されている
再建後まもない1900年、義和団事変で八カ国連合軍が北京に侵入し、再び破壊されてしまうのですが、西太后の頤和園への愛着はすさまじく、1902年に巨費を投じて復旧させました。これが現存する頤和園というわけです。
万寿山東側にある紫気東来城関。有事の際は門を閉じ、防衛のための関となった
歴史の荒波に翻弄され、破壊と再建を繰り返した頤和園。広大な庭園を歩いていると、かつての権力者たちのこの離宮への想いが、感じられるような気がします。
さて、次ページでは、知っておくと役立つ頤和園観光のお役立ち情報をいくつかご案内します。