岡崎にイタリアンの新星誕生! 「チェンチ(cenci)」
京都岡崎にオープンした「チェンチ」
平安神宮や京都市美術館を擁し、琵琶湖疏水の流れる「岡崎」は京大も近く京都でも指折りの文教地区。長年、イルギオットーネ本店のシェフを務められ、今年(2014)2月に辞した坂本健(けん)さんは、この地を選び、10ヶ月かけてご自身の思いの丈を注ぎ込んだ新店を作り上げられ、今年12月5日の開店に漕ぎ着けられました。
「
チェンチ(cenci)」という名のその店は、古い町家を大胆に改装した、外からは想像できないような内装のレストラン。店名の「Cenci」とはイタリア、フィレンツエの方言で「古びたもの、ボロ布」という意味。今年39歳になる坂本シェフが大学の留学時代に、フィレンツェで出会った古くて素朴なものの良さから命名されました。
このレンガは見応えアリ
入口を入ると、ほの暗い玄関ホールに降りる古い石畳の階段があり、いきなりフィレンツェの路地に迷い込んだようなデジャヴュの感覚に襲われます。ホールの左手には南禅寺にある「ねじりまんぽ」という明治時代の隧道を模したレンガの壁の奥に4席のカウンター席が垣間見えます。レンガはこの店の改装時に掘った土と、信楽の土を混ぜてスタッフ自ら焼かれたという凝り様です。
「チェンチ」の店内
正面の扉を開けると、そこは一階席(4+2席+奥の個室)なのですが、左手の遥か眼下に広々とした「半地下」のダイニングホール(計10席)が見下ろせ、シェフと4人の料理人達がきびきびと立ち働くオープンキッチンがその向こう側の1階レベルに拡がり、どの席からも一番奥にある石造りの坪庭を眺められるように設計されています。
1階のアーチ壁の下の席、木の繊維を塗り込めたアーチ壁の下に身を置くと、まるでイタリアのグロットに居るよう。インテリアはすべてくすんだ茶と黄土色で統一され、古色溢れる照明とも相まって上質で古びた雰囲気を醸し出しています。
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