有職料理の名店

萬亀楼。 内装。
町通りに佇む風情たっぷりの外観。 店内玄関口の様子。
上京区にある老舗料亭「萬亀楼」は、京料理の中でも宮中での節会の料理である「有職(ゆうそく)料理」を今に伝える数少ない料亭。

店内。 坪庭。
   
萬亀楼が位置するのは南北に延びる猪熊通り沿いの、東西に走る出水通と下長者通りの間。このあたりは観光客はおろか京都人でさえ、わざわざ足を運ぶことは珍しい、ほんまもんの京都町中の空気が味わえる界隈です。

京都で「老舗」といえば、100年以上はの歴史は当たり前。数百年以上続く大老舗がゴロゴロしているのが京都の凄いところです。

この「萬亀楼」も創業は享保7年(1722年)! 1722年というのは、モーツァルトが生まれるより少しばかり前の創業ということになりますね。現在の建物になってからでも100年以上経っているという年季の入り様で、風格十分です。

静寂という贅沢

部屋。 庭。
歴史を感じさせる設え。 庭園を観ているだけでも癒されるのです。
この日は運のいいことに、奥まった中庭に面したとっておきの座敷に案内されました。2方の戸を開け放って目にも涼しい簾(すだれ)が掛けられ、目の前には濡れたような緑に埋め尽くされた庭。その庭から通り抜ける風が心地よく、食べる前からなんとも贅沢な季節感に包まれます。

竹筒。
全ての配置は計算された和の極致。
聞こえるBGMはというと、竹筒から苔むした蹲(つくばい)に流れ落ちる水の音だけ。日本人に生まれてよかったと、思わず時間を止めてしまいたくなる瞬間です。

大広間。
大広間
尚、1階には庭に面した42畳の大広間もあり40名までの会合に対応できるとのこと。
次ページでは、繊細で上質な御料理を御紹介します