トウモロコシを主原料とするウイスキー
ジムビーム
主原料はトウモロコシ。アメリカ独立戦争(1775~83)以降に、当時まだバージニア州の一部だったケンタッキー郡(1792年に州へ昇格)への入植が盛んになる。これはケンタッキーで土着穀類であったトウモロコシ栽培に従事すれば、土地を付与するという奨励策があったようだ。そして入植者たちはそのトウモロコシからウイスキーづくりをはじめたのだった。
世界で最も飲まれているバーボン、「ジムビーム」を生んだビーム家は早期入植者であり、創業者ジェイコブ・ビームは1785年にケンタッキーへやってきた。農業のかたわらウイスキーづくりをはじめ、1795年には樽詰めバーボンウイスキー「オールド・ジェイク・ビーム」を発売して本格的に蒸溜業を開始している。
当初バーボン郡でつくられたから、バーボンと呼ばれるようになったらしい。その郡名はアメリカ独立を支援したフランス・ブルボン王朝への謝意からつけられたようだ。
内側を焦がしたオークの新樽を使用
さて、現在バーボンウイスキーは連邦アルコール法によって規定されているが、主な特長として、●主原料であるトウモロコシが51%以上使用
●内側を焦がした新樽に樽詰めし、熟成
●2年以上熟成したものをストレートバーボンウイスキーと呼ぶ
などがあげられる。穀物原料はトウモロコシの他にライ麦もしくは小麦、そして大麦麦芽が使われる。
「ジムビーム」は法定の2年を超える4年以上の熟成であり、またこれまでの記事で紹介した「ノブクリーク」や「ブッカーズ」をはじめとしたスーパープレミアムバーボンは6年~9年超の樽熟成をしたもので、バーボンとしてはかなりの長期熟成製品といえる。
では、次回はバーボンの樽熟成について述べようと思う。スコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーが10年、12年、18年などの長いエイジングの製品があるのに対して、バーボンウイスキーは10年も満たないのに何故長熟といえるのか、その点に関して説明してみる。バレル(バーレル)と呼ばれる小さな樽、しかも新樽で内側を焦がしたものを使用する点がポイントだ。
できるならば「ノブクリーク/世界が認めるプレミアムバーボン」の記事を読んでおいていただきたい。その記事のなかで“ボトルド・イン・ボンド”という法について触れている。これを理解しておいていただけるとありがたい。
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