薬膳料理

薬膳料理に揚げ物はダメ?(2ページ目)

薬膳料理は「健康的」「カラダにやさしい」「ヘルシー」というイメージがあります。なので、やっぱり揚げ物は禁止なのでしょうか…? 揚げ物を食べてしまった時のリカバリー方法も紹介します!

杏仁 美友

執筆者:杏仁 美友

国際中医師 / 漢方・薬膳料理ガイド

熱、水毒、気滞、オ血タイプは要注意!

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素材の味を生かした和食は、薬膳でも提案しやすい

揚げ物は気血の流れを阻害し、体内に余計な水分や熱を生みやすいので、体内に余計な熱を生みやすい熱タイプ、水分代謝の悪い水毒タイプ、気の流れが滞っている気滞タイプ、血の流れが滞っているオ血タイプは、とくに摂りすぎには注意が必要です。

そのかわり、エネルギー不足の気虚タイプ、栄養分が不足している血虚タイプ、カラダを温める力が弱い陽虚タイプは、先にあげた体質に比べるとダメージの度合いは少ないといえるでしょう。ただし、揚げ物の摂りすぎは胃腸の機能を妨げ、消化吸収力にも悪影響が出るので、胃腸が弱いタイプには不向きです。

揚げ物にはサンザシや陳皮と一緒に

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みかんを食べたら、皮は捨てずに陳皮にしよう!ちなみにサンザシの魅力を書いた記事はこちら

しかし、てんぷら、トンカツ、コロッケ、から揚げなど、揚げ物には昔から私たち日本人になじみのある料理が多く、「揚げ物抜き」での生活は難しいのも事実。外食やお弁当では定番で入っていることも少なくありません。そんな時、揚げ物と一緒に摂取するといいオススメの薬膳食材を2つご紹介しましょう。

  • サンザシ
バラ科サンザシの果実で、薬膳ではいわずと知れた消化薬。脂肪分解酵素が含まれ、肉や脂っこいものの消化を助ける。ドライフルーツをそのまま食べたり、スライスをお茶に入れたり、粉末ならドレッシングやジュースに入れても。

  • 陳皮
温州ミカンの成熟果皮。気のめぐりをスムーズにし、消化吸収機能を整える。余分な水分を取り除き、痰をとる働きがある。みかんを食べた後に、皮を天日で数日干せば自家製陳皮が作れる。スープやお茶にいれたり、粉末にして調味料として使用できる。


自宅で揚げ物を作るなら、サンザシや陳皮の粉末を一緒に衣にいれてもいいですね。薬膳の発祥地でもある中国では、酢豚にパイナップルをいれる要領で、サンザシを一緒に煮込むお店もあります。

ちなみに、体内に熱がこもっている熱タイプや、気のめぐりが悪く、膨満感があるタイプには「大根」が有効です。消化酵素が含まれ、種子は「ライフクシ」という消化促進の生薬でもあります。もし自分がこれらのタイプなら、揚げ物を食べるときにはぜひおろし大根を添えたり、大根サラダと一緒にどうぞ!


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