“病従口入”=病は口から入る、という中国のことわざがあるが、まずは五臓にバランスよく入る食事を心がけたい

“病従口入”=病は口から入る、という中国のことわざがあるが、まずは五臓にバランスよく入る食事を心がけたい

薬膳では、食材のもつ特性を表わす独特のものさしがあります。今回は食材がどの部位や臓器に関係が深いかを示す「帰経」(きけい)について、詳しくご紹介します。それぞれに対応するオススメ食材も、あわせて覚えておくといいでしょう。

■帰経ってなに?
帰経とは、食材がカラダのどの部位や臓器に影響があるかを示したものです。ひとつの食材でひとつの帰経の場合もありますが、いくつも帰経があるものが多く、それだけ治療範囲が広いことを示しています。

また、ここでいう肝、心、脾、肺、腎という五臓は、臓器の働きにとどまらず、メンタル的な要素も含まれ、ひとつひとつの範囲は広義にわたります。

■肝
血液を貯蔵したり、脂肪の代謝や解毒をする以外にも、血液や気のめぐりをスムーズにしたり、消化促進をうながす作用も含まれます。

血液の量をコントロールするので、生理にともなう症状や生理痛などにも関連したり、自律神経系にも関連が深いので、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなったり、ストレスによって下痢や便秘になったりするのです。

肝に帰経する食材
あさり、しじみ、カキ、イカ、レバー、菊花、クコの実、セロリ、せり、トマト、きんかんなど

■心
心臓のように血液を全身に運ぶ働き以外に、血や気をめぐらせ、意識や精神の安定にも関連しています。機能が低下するとドキドキして息切れや不整脈がでたり、物忘れが激しくなったりします。

舌や顔色に変化が出やすく、心の機能が不調になるとツヤがなくなったり赤くなったり、睡眠不足が続いたりすると舌先が赤くなったりします。

心に帰経する食材
小麦、なつめ、竜眼肉、はすの実、ゆり根、たまご、にがうり、とうがん、茶葉、ウコンなど

■脾
胃の機能を助けて食物を消化吸収をしながら、血液や気のもとを作り、全身に栄養を送る働きがあります。なお、水分代謝にもかかわるので、脾の機能が悪くなるとむくみや下痢などの症状も、出やすくなります。

消化吸収する力がおとろえると、筋肉や口、くちびるに変化が出やすく、脾の機能がよければ食欲もあり、くちびるにもツヤが出て元気が全身にみなぎります。

脾に帰経する食材
うるち米、長いも、さつまいも、かぼちゃ、キャベツ、しいたけ、鶏肉、カツオ、大豆など

■肺
呼吸や水分代謝だけでなく、皮膚のバリア機能や免疫力にも深く関係があります。肺の機能が低下すると肌にうるおいがなくなったり、アトピーや花粉症などのアレルギー疾患を起こしやすくなったり、風邪を引きやすくなります。

鼻や粘膜にも関連があるので、肺の調子が悪くなると鼻水や鼻づまり、嗅覚の異常やのどの痛みを起こしたりします。

肺に帰経する食材
シソ、しょうが、はと麦、松の実、ぎんなん、白菜、くるみ、たまねぎ、レンコン、大根、梨など

■腎
腎は泌尿器系だけでなく、生命力を蓄える機能があり、人の成長発育や、老化、ホルモンの分泌にも関連があります。各臓腑の機能を促進する作用もあるので、カラダを温めたり、血液の生成にも携わります。

腎は筋力の衰えや腰のトラブル、骨の異常にも関連深く、腎の機能が低下すると足腰が弱くなったり、骨折や歯が抜けるなどします。

腎に帰経する食材
黒ごま、クコの実、長いも、すっぽん、なまこ、羊肉、うなぎ、くるみ、海老、ニラ、栗、ぶどうなど


一般的に、酸味は肝、苦味は心、甘味は脾、辛味は肺、鹹味は腎に入りやすいとされ、適度にその味を用いるとその臓器の働きを補うとされます。

五臓はお互い促進したり、抑制しながら活動しているので、五臓の機能をバランスよく保つことが大切です。
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