日常で使われる漢方の特徴は「身体の治癒力を高めるもの」

薬膳

生薬は薬効のある自然物、多くは草根木皮のこと。生薬には上品、中品、下品の3つのタイプがあります

今から約2千年前に書かれた中国の『神農本草経』という薬物書では、生薬の中でも身体に穏やかに作用し、多用しても毒がないものを「上品(上薬)」と記しています。長く食べ続ければ不老長寿になれるとも言われていたようです。この上品に分類される食材は、現在でもよく使われるものばかりです。今回は、いつまでも元気でいられる究極のアンチエイジング「薬膳のススメ」と上品の食材を使った「薬膳レシピ」をご紹介します。

【 INDEX 】
・究極のアンチエイジング食材のあれこれ ⇒ p.1
・覚えておきたい! 基本の薬膳粥レシピ ⇒ p.2

薬膳のススメ! 身体の調子を整える5つの食材

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写真上から時計回りに山薬(長いも)、枸杞子(クコ)、ヨクイニン(はと麦)、大棗(なつめ)
「上品」に分類される食材の特長としては、どれも作用が穏やかだということ。つまり、継続的に使用することでカラダの調子を整え、自己治癒力を引き出すので、食生活を見直したい人や、生活習慣病が気になる人にぴったりなんです。さっそく各食材と、それぞれの特長をご紹介します。

■なつめ
クロウメモドキ科の植物の果実で、生薬名は大棗(たいそう)。胃腸の働きを助け、元気パワーや血液を増やしてくれます。干したなつめを砂糖でからめたお菓子や、韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)にも入っています。毎日3つ食べると年を取らないのともいわれています。

■クコの実
ナス科クコの果実で、生薬名は枸杞子(くこし)。疲れ目や視力の低下などの目のトラブルに優れ、「食べる目薬」という別名があるほど。血液を補うので貧血によるめまいや、滋養強壮にも良いそうです。薬膳料理といえば「クコの実」が頭に浮かぶほど、ポピュラーなものですが、その働きを見ると納得できます。

■はと麦
イネ科の植物。はと麦の外皮を除いたものがヨクイニン。身体の余分な水分を外に出すので、むくみに良く、消化機能を高めるので下痢にも用いられます。肌をなめらかにしたり、解毒する働きもあるので、にきびや吹き出物、民間ではイボ取りにも使われます。

■長いも
ヤマノイモ科ヤマイモの茎根。生薬では、ヤマイモの外皮を除いて乾燥させたものを「山薬」(さんやく)と呼ぶくらいパワーのある食材です。胃腸の機能も良くなり、スタミナもつきます。下痢やおりもの、遺精、軽度の糖尿病にもおすすめです。また、消化吸収をよくするなら、生食がベストのようです。

■朝鮮人参
ウコギ科オタネニンジンの根で、生薬名は御種人参、人参など。『神農本草経』には「五臓を補い、邪気を除き、心を開き、久しく服すれば身を軽くし、年を延べ老いず」と書かれています。滋養強壮、不老長寿には欠かせないもので、高価なものですので、ニセモノには注意してください。

一方で、病気に対する抵抗力をつける薬ではあるものの、長時間使用すると副作用の出る恐れがあるものを「中品」、急病を治すことを目的としているものの、毒性が高いものを「下品」と分類し、全部で365種類もの薬の強弱、格付けをしていたようです。それぞれの特長を活かし、体質や体調によって使い分けるのが薬膳でも大切だということです。

次のページでは、身近な「上品」食材でできる簡単薬膳「基本のおかゆ:山薬仙人粥」をご紹介します。

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