リーダーシップ/リーダーシップの基本知識

今、リーダーシップに必要なこと 新・三種の神器とは(2ページ目)

これからは「命令と服従」という縦の関係ではなく、「納得と同調」という横の関係をベースとしたリーダーシップスタイルが求められます。今日のようなフラットな世界でリーダーシップを発揮するためには何が必要かを考えましょう。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


”新・三種の神器”によるリーダーシップ

自由闊達な意見交換ができるフラットな組織が理想です

自由闊達な意見交換ができるフラットな組織が理想です

そのためには、そのチームの結束力団結力が必要です。これにはメンバーが共有すべきものが必要になります。それが、バリュー(行動の規範となる理念や価値観)、ビジョン(中長期的な理想像や目的地)、ストラテジー(ビジョンに辿り着くための道筋やアクションプラン)です。ガイドはこの3つをビジネスパーソンの“新・三種の神器”と考えております。あるいは“自立の三要素”と呼んでもいいでしょう。

これらを数値化してビジネスパーソンの能力評価を15年以上行っていますが、この3つの得点がいい人は往々にしてビジネス基礎力全体(=仕事力)が高く、業務遂行能力もあり、順調に昇進されています。事実、職位別の平均値を見ると、役職が上がれば上がるほどその値は高くなっています。

相関分析を行うと、「ビジョン」が他の項目に与える影響度が最も高く、「ビジョン」の得点が高い人は仕事力も高いという結果です。つまり、リーダーとしてビジョンを明確化することは個人にとっても統率するメンバーにとってもプラスに働き最大限の成果を出すことに繋がるのです。

日本航空の再建の立役者で、京セラの創業者である稲盛和夫さんはアメーバ経営を提唱されてきました。これも集中管理型ではなく、現場立脚型で主体性のある分散管理型のシステムで、今まさに求められる組織形態でしょう。

それには、一人ひとりのマインドセット(思考様式)の変革が必要です。メンバー各自がまずは自分をリードすること、社長と同じ程度の「目的意識・当事者意識・危機意識」を持つことができれば、自然と問題を発見し、自律的で新たな価値を創造できる人材へとなることでしょう。

ビジョンとは私利私欲ではなく、利他の精神(社会や世の中が良くなること)が前提です。そのビジョンに共感・賛同する人がメンバーとなって、その実現のために働くことが直接的に感じることができる組織を構築できれば強い組織になることでしょう。将来、起業を考えられている方は忘れてはならないことです。
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