夫婦のどちらかが認知症や寝たきりになってしまったら
こうした結果から、夫婦二人が自立した暮らしができるうちは、自宅で気楽に暮らすことはできると思います。更に、夫婦のいずれかが、要支援か要介護度2~3までなら、自宅で介護サービスを受けながら頑張ってみることもできるでしょう。でも、夫婦のどちらかが、要介護度4~5の認知症や寝たきりになってしまったときに、自宅での介護が続けられるか、という疑問が生じます。
統計調査などで、認知症の年齢別出現率を見てみると、75~79歳7.1パーセント、80~84歳14.6パーセント(10人に1人以上)、85歳以上27.3パーセント(4人に1人以上)となっており、80歳を過ぎると認知症は身近な病気となってしまいます。
また、寝たきりになった場合、どのくらいの期間寝たきりの状態が続くかをみると、3年以上が47.3パーセントと半数近くに達します。
たとえ夫婦といえども、認知症や寝たりきりになったパートナーを3年超、外部の介護サービスを受けつつ、自宅で世話をするのは現実的とはとうてい、思えません。特に夫が妻を介護する、ということは家事の経験の浅さも含め、至難のことかと思われます。